代官町通りの土手上は快適な散歩道
明けましておめでとうございます!2016年を迎え、早5日が経とうとしていますね。皆様いかがお過ごしでしょうか?昨年は当サイトをご覧頂き、ありがとうございました。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
今回の自分歩き・自然歩きマップ通信は、国民公園協会皇居外苑が発行している「自分歩きマップ」に掲載の皇居外苑で唯一残る土手道、「代官町通り上の土手」をご紹介します。
本日の出発地点は北の丸公園の田安門。東京メトロ九段下駅2番出口より徒歩約5分で到着するこの門は、国の重要指定文化財です。今から380年前にこの場所に建てられ、昭和38年には、解体修理が行われています。
現在は北の丸公園への入り口の一つとして常時開放されているので、自由に通り抜ける事ができますよ。
門をくぐりすぐ左手を見ると、静かに佇む狛犬らしき姿が。柵の脇を通って、階段を登ってみましょう。
階段を登りきると現れたのは本殿と拝殿。ここは、弥生慰霊堂(やよいいれいどう)といって、西南戦争後の警視庁及び東京消防庁の殉職者が祀られている場所です。
その隅には、「昭和天皇御野立所」があります。1923年に発生した関東大震災の7年後、当時摂生であった昭和天皇は東京湾まで眺望できたこの場所に立たれて、復興への視察の第一歩をすすめられました。
弥生慰霊堂は高台となっているため、先ほど通ってきた田安門の全体を見渡すことのできるスポットでもあります。
それでは、北の丸公園を散策しつつ、代官町通りの土手上を目指しましょう!田安門から道なりに進むとすぐ、左手に日本武道館が見えてきます。本日もイベントが行われる武道館は、昼頃から大勢の人で大賑わいでした。
そんな武道館正面に位置するこちらは、ザ・フォレスト北の丸。豊富なカフェメニューが楽しめる、緑に囲まれた園内のおしゃれなカフェです。
施設内にはインフォメーションコーナーもあり、北の丸公園の歴史・自然情報がパネルで紹介されるなど、園内の情報収集にお役立ち頂けますよ。
ツイッター (Fkitanomaru)https://twitter.com/FKitanomaru
ザ・フォレスト北の丸を左手に見ながら直進すると、秋に美しい紅葉がご覧頂けた、西大通りとモミジ林があります。今回は、西大通りへ入る前に右折し、公園西側へ向かいます。
北の丸公園は皇居の北側に位置する、緑豊かな森林公園です。特に公園西側は、ここが都会の中心である事を忘れてしまいそうになるほど、緑が溢れています。
森の中を進んでいくと、大木のトチノキがお出迎え。樹齢はおよそ150年です。
武道館周辺は大変な賑わいでしたが、ここ西側はそんな喧騒とは反対に、大変静かな空間です。千鳥ヶ淵側に向けてベンチが沢山用意されているので、森林浴を楽しみながら癒しの時間をお過ごし頂けます。
森の中にぽっかりと浮かぶ四阿(あずまや)の側には滝の流れもありますよ。夏場はとっておきのクールスポット。
こちらの流れではカラスが気持ち良さそうに行水中でした。公園中央に位置する池からカルガモがお散歩にやってくる事もあるので探してみてくださいね。
「早咲きの梅が開花した!」との情報を入手し、公園中央の梅林へ。こちらには約20本の梅が植栽されています。紅、白色はもちろん、一本の梅ノ木に両方の色が咲くことも。梅林の見頃は3月上旬から中旬頃の予定です。
こちらが早咲きの梅の木。情報通り、白梅がぽつぽつと開花していました!日の光を浴びて美しく輝く純白の花弁に、思わず見入ってしまいます。
場所は変わって、吉田茂像近辺。木の上で小鳥が忙しそうに動き回っていたので目を凝らしてよく観察してみると・・咲いていました!淡いピンク色が青空に映える、カンザクラの花。
そんな嬉しい開花をいち早く見つけ、蜜を吸いにやって来たのはメジロ。目の淵のホワイトリングが可愛らしいですね。
カンザクラの側ではヤブツバキも咲いていました。冬支度をはじめている園内に色を添えてくれています。
公園南側、代官町通りへ出ました。首都高速道路の上を通る歩道を渡っていきましょう。
歩道から、右手に見える近代美術館工芸館のレンガ造り独特の風格をお楽しみ頂けます。
旧日本軍の司令部として1910年に建てられたこちらの建物は、北の丸公園整備に当たり、取り壊される予定でした。しかしながら、「明治洋風煉瓦建築の一典型」を残そうという人々の声で取り壊しは中止となり、1972年には外壁、玄関及び階段ホールが重要指定文化財に指定され、1977年、「近代美術館工芸館」として開館。現在に至ります。
そんな「近代美術館工芸館」を過ぎて道なりに歩いて行くとすぐ、右手に土手へ向かう散歩道があらわれます。
少し急なこの階段をゆっくり登って・・・・
土手上に到着しました。こちらが代官町通り上の土手です。皇居外周を巡る時、赤茶の地べたを踏みしめ、快適感を味わいながら散歩できる所は、代官町通りの小土手の上しかありません。
こちらの土手上からは、先ほどの近代美術館工芸館もご覧頂けますよ。
・・・ふと足元を見てみると枝先からちょきんと切られたような真っ赤な実が。こちらはイイギリの実です。味見をした鳥たちの落し物でしょうか?
「ジュクジュクジュク・・・・」と聴きなれた声がしたので上を見上げてみると、そこにはシジュウカラの姿がありました。ぴょこぴょこと素早く動き回り、エサを探し回る姿は一生懸命で応援したくなりますね。
代官町通りの土手上には、クロマツやアカマツ、モミジやニワトコ、ハナミズキやヒュウガミズキなどが点在しており、四季の彩を見せてくれる場所でもあります。現在は葉が落ち、植物はすっかり冬の装いですが、木々になった実を求めてやってくる野鳥を観察するにはもってこいの季節ですね。のんびりゆっくり、皇居の空を眺めながらお散歩されてみてください!
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