紅葉がはじまった北の丸公園で秋散歩
東京では10月24日に木枯らし一号が吹き、ひやっと冷たい風の中に秋の深まりを感じる今日この頃です。皇居外苑馬場先濠を囲むように並ぶイチョウは、ところどころ日の当たる箇所の黄葉が進んできています。
今回の自分歩き・自然歩きマップ通信は、自然歩きマップに掲載されている秋の花々をご紹介します。皇居外苑で自然観察に適した場所といえば、皇居外苑北の丸地区に位置する、緑溢れる森林公園「北の丸公園」。
マップを片手に、気持ちの良い秋空の下、北の丸公園へ向けて出発です!
本日の出発地点は、東京メトロ竹橋駅。毎日新聞社側b1出口を出て、目の前の横断歩道を渡ると、徳川家康が関東に入国する以前から存在していたといわれる「竹橋」の姿が現れます。現在は石造りの美しいアーチ橋となっている橋を渡り、緩やかな坂をさらにまっすぐ進んで行くと・・・・
右手に東京国立近代美術館が見えてきました。日本で最初の国立美術館として中央区京橋に開館した後、現在地、北の丸公園敷地内に移転された美術館です。上品で静寂な雰囲気。
視線を再び前に戻して、進行方向へ。まだまだ続くこの坂道の名前は「紀伊国坂(きのくにざか)」。坂の西側に紀州藩上屋敷があったことが、この名の由来なのだそうです。
紀伊国坂は、春にはソメイヨシノや八重桜が咲き誇り、長く美しい桜のトンネルが楽しめるお花見スポットになります。多様な種類の桜が咲き誇る、華やかな皇居外苑の春が今から待ち遠しいです。
そして見えてきたこちらの看板。竹橋駅から徒歩約8分で、北の丸公園の入り口に到着しました。早速園内へ入っていきましょう。
北の丸公園は、700種以上の植物、50種以上の野鳥に加え、500種類以上の昆虫が生息する、都心とは思えないほど緑豊かな公園です。園内には科学技術館や日本武道館などの文化施設がある他、田安門・清水門・旧近衛師団司令部庁舎(近代美術館工芸館)などの指定重要文化財等、江戸城跡の遺構も残されており、自然・文化・歴史が融合したスポットとなっています。
池のケヤキはどのくらい色付いたかな?と気になり、園内中央に位置する芝生広場へ。他のケヤキに比べて、かなり紅葉が進んでいました。
北の丸公園は知る人ぞ知る都心の紅葉スポットでもあります。園内各所でイチョウやケヤキ、ツツジなどの紅葉が楽しめる他、公園西側に位置する「モミジ林」では、イロハモミジやヤマモミジなどによる美しい色の共演が行われ、毎年訪れるお客様を魅了しています。
池の周辺を歩いていると、芝生広場脇の茂みに、ぱっと明るい黄色の花を発見!大きなつやつやの緑の葉っぱに、すっと伸びた茎。何の花か、お分かりですか?
そう、こちらはツワブキの花。花が少ないこの時期にたっぷりと蜜を出すツワブキは、ハナアブや蜂達に大人気で、ツワブキの花にはひっきりなしに来客がやってきます。
北の丸公園の池には二箇所に橋が架かっていますが、上の写真は南側の池に架かる橋。池の中の浮島や、池周辺には、秋の風物詩・秋の七草のひとつであるススキが、柔らかな日の光を浴びて美しく輝いていました。
芝生広場を後に、ニシキギやヤマボウシなど、紅葉が美しい木々が植栽されている樹林地へ足をのばしてみましょう。様々な種類の鳥のさえずりが聞こえてきて、都会の真ん中にいることを忘れてしまいそう。
森林浴を楽しみながらふと足元を見ると、赤紫色の斑点が特徴の可愛らしい花がひっそりと咲いていました。こちらはタイワンホトトギスという名のユリ科の花。台湾原産で、花びらの斑点が鳥のホトトギスの羽模様に似ていることから、この名がついたのだそうです。
真っ赤な実をつけているピラカンサも見頃。紅葉が始まる前の園内に明るい色どりでアクセントを添えてくれています。枝には鋭いとげがあるのでご注意を!
樹林地を抜け、公園北側の日本武道館まできました。連日様々なアーティストのコンサートが行われ、多くの人で賑わう武道館ですが、講演前なのか、とても静か。
そんな武道館近くに位置するカフェ、ザ・フォレスト北の丸。ここでしか食べられないフォレストバーガーをはじめ、豊富なカフェメニューを楽しむことができるので、散策の際のご休憩に最適です。
ザ・フォレスト北の丸の周辺に植栽されている、なんだか不思議な形をしているこちらの花は、サルビアレウカンサ。そっと触ってみると・・・
まるでフェルト生地のようなフワフワ感で気持ち良い。紫色の部分はガクで、花は白い方にあたります。
都会の喧騒を忘れ、鳥のさえずりに耳を傾けて、色付きはじめた北の丸公園の紅葉を楽しみながらピクニックなんていかがでしょうか?
さあ、自分歩きマップ・自然歩きマップをもって、穏やかな秋空の下、皇居外苑散策に出かけましょう!