昭和天皇のご発意・二の丸武蔵野雑木林
本日の皇居外苑の空は、気持ちの良い秋晴れとなりました。皇居前広場の生き生きとしたクロマツの緑と、背後に連なるオフィスビル、そして綺麗な青空がつくり出すこの眺めは、ここでしかご覧頂けない特別な景観です。
朝晩はだいぶ冷え込むようになってきましたので、皆様体調を崩されないよう十分お気をつけくださいね。
本日向かったのは、皇居の東側に位置する「皇居東御苑」。面積21ヘクタールの庭園で、江戸時代は本丸や二の丸、三の丸など江戸幕府の中枢があり、国を動かしていた場所です。
東御苑への入り口は、大手門、平川門、北桔橋門(きたはねばしもん)の三箇所。本日は、江戸城の正門であったことでも知られる「大手門」から入場しました(写真は大手門・高麗門)。
高麗門をくぐり、枡形の中へ入ると、次に待ち構えるのはどっしりとした構えの渡櫓門。この門を抜けると、いよいよ園内です。
東御苑に入園してすぐ目に止まったのは、多くの薄ピンク色の花を咲かせている一本の樹木。近寄ってみると・・・
なんと!桜の花でした。実はこちら、「十月桜」と呼ばれる桜の一種。開花時期は10月から4月頃で、継続的に花を咲かせます。これから訪れる皇居の寒い冬の先に待つ、暖かな春の訪れが待ち遠しくなる出会いでした。
ジュウガツザクラを後に、以前ご紹介した同心番所、百人番所を通りすぎ、そのまま道なりへ進んで行くと・・・
右手に「二の丸雑木林」と書かれた立ち看板を見つけました。
昭和天皇のご発意により、武蔵野林(雑木林)を造ろうと造成されたのが、こちらの雑木林です。江戸時代、この場所には「二の丸御殿」があり、家光の世嗣・竹千代(四代将軍家綱)の住まいや、前将軍の側室が晩年過ごした屋敷が置かれていました。
しかし明暦の大火(1657)で破壊されてから、二の丸御殿ともども焼失と再建が繰り返され、江戸開城の直前、慶応3年(1867)ついに全焼しました。その後時は流れ、東御苑開園後の昭和58年。園内の造成が行われ、平成14年と2期に渡り、多くの落葉樹や下草類が植えられ、現在の雑木林が出来上がりました。
二の丸雑木林では、四季の移り変わりはもちろん、多くの野鳥達の姿も観察することができます。
二酸化炭素の増大による地球温暖化の傾向にある折から、自然の美しさや素晴らしさ、そして緑の重要性を一人でも多くの国民に体験してもらうことが、ご発意のお考えの中にあったのではないでしょうか?
東御苑の詳細についてはこちらをご覧ください → http://www.kunaicho.go.jp/event/higashigyoen/higashigyoen.html