重要文化財・北の丸公園の清水門
皇居外苑の空は朝から厚い雲に覆われ、薄い上着が一枚欲しいくらいの涼しさとなりました。
写真は清水門外通りから撮影した一枚。ハスの花が広がる牛ヶ淵と、日本武道館の屋根が望めるお薦めビュースポットです。
本日は北の丸公園の重要文化財・清水門をご紹介します。清水門は北の丸公園への入り口のひとつで、九段下駅と竹橋駅を結んだ、丁度中間あたりに位置します。
写真は清水門高麗門(しみずもんこうらいもん)。
北の丸公園には重要文化財が三つ存在します。一つ目は、以前ご紹介した田安門、二つ目は近代美術館工芸館(旧近衛連隊司令部庁舎)、そして三つ目が、今回ご紹介する清水門です。(写真は清水門渡櫓門)
清水門の創建年代は不明とされていますが、元和6年(1620)には既に存在したとの記録があり、現在の門は明暦の大火後の万治元年(1658)に再建されたものと考えられています。
江戸時代中期以降分立した「徳川御三卿」は田安家・清水家・一ツ橋家。そのうちの田安家と清水家の上屋敷が、ここ北の丸に置かれました。
清水家は北の丸公園の東側にあったことから、清水門と名がついたそうです。田安門同様、重厚感があり、高麗門、渡櫓門共に立派で見ごたえがあります。
渡櫓門を抜けると、高さがあって幅のある階段が目の前に広がります。こちらは雁木坂(がんぎざか)。
江戸時代そのままの姿で残されているこの階段、雁(がん)が行列をつくって飛ぶ姿に似ているので、この名がついたと言われています。
他の門では歩きやすいように改造し舗装されている今日、石と水で作られた階段の原型が残されていることは、往時を知る上でも貴重なものと言えますね。
階段を登りきると、広いスペースが広がっています。以前ご紹介した吉田茂像のすぐ側。
左手を見れば、清水濠、さらに先ほど通ってきた清水門高麗門を見ることが出来ます。門をくぐってからは少しずつ坂道になっていたようで、雁木坂を登りきると、いつのまにかかなりの高さになっていました。
北の丸公園を散策される際は、是非清水門を含めた三つの重要文化財も併せてご覧になってみてくださいね。