東御苑 平川橋・平川門のご紹介
8月も中旬に入りました。暑い日が続いたり、台風が発生したりと気候変動が大きいですね。皆様体調など崩されていませんか?
写真は暑さのあまり口を開けて熱を逃がそうとしている大手濠近くのスズメたち。この季節にしか見られない、ちょっと面白い表情です。
本日は皇居の北東に位置する、平川橋と平川門をご紹介します。こちらは大手濠から平川橋を撮影した一枚。ゆるやかなアーチを描いています。
平川門が本丸から最も近い通用門ということもあり、かつてはこの橋を大奥につとめる女性達が頻繁に行き来していたそうですよ。
平川橋は慶長19年(1614)に架けられましたが、しばしば改修が行われています。現在の橋は、昭和63年3月31日に改架された美しい木橋。
大奥女中も通った平川橋を一歩一歩ゆっくり渡り、右へ90度。平川門高麗門の姿が現れました。橋に正対していないという点が、他の門との違いです。
門をくぐって、振り返ったところで一枚パシャリ。平川門の高麗門は、以前ご紹介した田安門よりも少し小さな印象を受けました。
こちらは枡形の中に入ると見えてくる、もう一つの高麗門です。
平川門は別名「不浄門」とも呼ばれます。この高麗門を出ると帯曲輪を経て竹橋門に通じ、死人や罪人がここから出された事から、そのように呼ばれるようになりました。
歴史上、生きたままこの門を出たのは、浅野内匠頭と「絵島生島事件」の奥女中絵島が有名です。
そしてこちらが平川門渡櫓門。渡り櫓の櫓部は、関東大震災で大破してしまいましたが、後に復元されて今の形となりました。
大奥からはこの門が最も近く、奥女中の通用門であったことから、「お局御門」ともいわれたそうです。
家光の乳母、春日の局がある時、何らかの理由で入門時刻に遅れてしまい、門外に一晩野宿させられた逸話もあるそう。
渡櫓門をくぐり、右手を見ると深い皇居の緑に木漏れ日が差し込む、美しい平川濠の姿がありました。
皇居東御苑内は歴史遺構はもちろんのこと、お濠と自然が織り成す素晴らしい景観も見所のひとつですね。
また、皇居外苑楠公レストハウスでは、江戸の庶民が晴れの日のご馳走として作っていた行楽弁当を、江戸時代の料理書を参考に再現した「江戸エコ行楽重」としてお客様に提供しています。
皇居外苑や東御苑で江戸の歴史に存分に触れた後は、美味しい江戸の食文化も是非お楽しみください。