「皇居外苑キノコ観察会」が開催されました
「皇居外苑キノコ観察会」 7月11日(土)開催
東京きのこ同好会の脇本哲郎氏の案内で開催しました。「キノコ」というとつい食への興味に偏りがちですが、今回は皇居前広場の「松」と松に欠かすことのできない菌根菌である「キノコ」の共生関係を軸にして、生き物全体に目を向ける自然観察会となりました。
前日まで雨が続き開催が心配されましたが、当日は好天に恵まれた上前日までの雨がキノコの成長に幸いし、観察会にピッタリの一日となりました。都会のキノコは梅雨時期からが最盛期。集まった皆さんは一面の松と芝生広場を前に「一体どんなキノコがあるのかな?」キノコへの期待に膨らむスタートです。
今回のコースは海外からの観光局で賑わう楠公銅像広場から隣の馬場先広場へ進み、馬場先堤塘沿いに観察後、桔梗門付近まで歩きました。オオヒメノカサ、シバフタケ、ホコリタケ、歩き出してすぐに何種類ものキノコに遭遇しました。
皇居外苑で一番目にするのが松の外性菌根菌(共生菌)のツルタケです。ツルタケは松と共生関係を持つキノコの一種です。実は地上でキノコと呼ばれている部分は菌糸の「花」であり、本体の菌糸は地下にあります。
松の傍らでは、ツルタケ同様に松と共生関係を持つキノコがフェアリーリングを作り始めていました。
皇居前広場の芝生には多数のフェアリーリングが出現していて、幾重にも重なる輪に「まるでオリンピックマークみたい!」参加されたみなさんから驚きの声が上がっていました。
始めは皇居外苑にキノコがあること自体半信半疑に思っていたみなさんも、それまで足元にあっても気付かなかったキノコたち次々と見えて来るという体験に「キノコ眼が開眼した!!」と楽しげにおっしゃっていました。
キノコを栽培するシロアリやキノコ同士の戦いの話、撮影のコツまで幅広いキノコ雑学も交え、あっという間の2時間をお楽しみいただきました。
皇居外苑自然観察会ではこの春にも「春の野の草観察会を」4月17日(金)に講師としてNPO法人自然観察大学名誉学長岩瀬氏と皇居外苑地域の野草に触れながらの自然観察をお楽しみいただきました。
今後も「ガイド付散策」や「自然観察会」等を予定していますのでお楽しみに。