令和元年 新緑のトンボ池一般公開
5月24日(金)~26日(日)の3日間、令和に入って初のトンボ池一般公開が行われました。トンボ池は1辺が16メートル程の正方形の人工池で、通常は自然保護と危険防止の為立入が制限されているビオトープです。
この3日間は晴天に恵まれたものの気温は30℃を超え、5月とは思えない強い日差しの中での公開となりました。小さなお子さまや外国の方々を含め、3日間で500名以上の入場があり、トンボ池の豊かな自然と親しんで頂きました。
初日にはきのこの講師による解説の時間が設けられ、お散歩中の保育園児も飛び入り参加されました。サルノコシカケなどの硬質のきのこを見て触れた後、「次はきのこらしい形のきのこを見ましょう」と講師。園児がウラベニガサに指で触れると、柔らかいウラベニガサはポキンと折れてしまいました。硬いきのこに触れた後で、力加減が難しかったかもしれませんね。
「折角なのできのこのカサの裏側を見てみましょう」と、講師より提案がありました。ウラベニガサの名の通り、ひっくりかえすとカサの裏側がほんのりと紅色でした。普段はなかなか見られない自然発生のきのこの裏側を、熱心に覗き込んでいました。
そして、今年も森に住むカエル、モリアオガエルの卵塊が見られました。池の水面上に張り出した木の枝などに、数百個の卵が入った白い泡状の卵塊を産み付けます。公開中は5つの卵塊を確認、目の高さにあるエノキの枝にも産み付けられ、観察には最適でした。
声はすれども姿は見えず。モリアオガエルの成体も見たい所ですが、保護色でかつ警戒心が強い為、人が近づくと鳴き止んでしまいます。そんな中、お客様が水面に顔を出すモリアオガエルを発見されました。どうやら、上陸したいけれど人が多いことで躊躇していた様子です。普段は閉鎖され人間が立ち入らない環境だからこそ、モリアオガエルは安心して毎年、産卵に訪れてくれるのかもしれません。
トンボ池ならではのトンボも姿を現しました。
池周辺でふわふわと細い身体で飛んでいるのがクロイトトンボ、そして池の上を力強く飛んでいたのはクロスジギンヤンマです。縄張り争いの為複数のオスが何度も旋回し、また水面近くでは産卵するメスの姿も見られました。
(写真上:連結するクロイトトンボのオス、メス。左手前にも別のオス。
写真下:産卵するクロスジギンヤンマのメス。)
ここ複数年に渡り、トンボ池にはウキクサが繁茂し水面の大部分を覆ってきましたが、2019年に入ってその数が減ってきました。昨年の公開時とは異なって水面が見えるようになり、本来の姿に近づいた印象です。
今後この状態が続くか全くわかりませんが、環境の変化で観察される生きものにも変化が見られるかもしれません。是非、夏のトンボ池一般公開にも足をお運び下さい。
~夏のトンボ池一般公開~
8月2日(金)、3日(土)、4日(日) 9:30~12:00
詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせ
致します。