明治維新150年記念 中山邸跡
朝夕が少し冷えて季節の歩みが分かりやすい時季になりました。
京都御所の東北、猿ヶ辻の北側にある中山邸跡の黒い塀にクロガネモチの赤い実が映えています。
中山邸は、幕末期の公家、権大納言中山忠能の邸宅跡です。
嘉永5年9月22日(1852年11月3日)、孝明天皇の第2皇子として明治天皇(幼名:祐宮)が誕生しました。母は、権典侍中山慶子(中山忠能の娘)で、敷地には、その産屋が残っており、塀越しに見ることができます。
祐宮は中山邸で4年間養育されたと言われています。また、祐宮2才の夏干天で井戸が枯れたため新たに掘られた井戸はその名に因んで祐井と名づけられたといいます。
祐宮誕生の1852年に、オランダ商館長クルチウスが翌年のアメリカ使節の来航を幕府に伝えていましたが、1853年ペリーの浦賀来航が事実となりました。
明治天皇の誕生は、幕末の混乱期の始まりと重なり合うようです。
孝明天皇の急死により明治天皇は慶応3年(1867)16歳で践祚、同年12月の王政復古により新政府が樹立され、1868年に明治改元がなされました。明治2年(1869)に東京遷都。
明治10年(1877)孝明天皇十年式年祭のため京都に還幸されたおり、懐かしい御所周辺の変わり様を哀しまれ御所保存・旧観維持の御沙汰が下されました。京都御苑の現在に至る基礎が築かれていく始まりです。