春の自然教室
4月16日(日)、初夏を思わせるような日差しの中、春の自然教室が開催されました。今回は183名もの方々にお集まりいただき、大変な盛り上がりの教室となりました。富小路口を出発し、周辺で野鳥、昆虫、植物、きのこの観察を共に楽しみました。
今回の植物のテーマは「奥ゆかしい春の花を観察してみましょう」。春の華やかな花々に紛れてひっそりと咲く、アオキやモミの花を探しました。
モミは黄緑色の雄花が、たくさんぶらさがるようについていました。少し触れただけで大量の花粉が舞い散って、皆さんからはざわめきが。一方雌花は高所に少しだけ、上向きに緑色の花をつけていました。
また、モミが棺桶の材として使われる理由についての解説があり、多くの方が興味津々聞き入っていました。
(写真:モミの雄花と雌花)
きのこの解説でもモミに着目しました。幹に発生していたのが、「モミサルノコシカケ」です。
きのこが発生する事で一見健康そうなモミも、実は弱った状態だとわかる、という解説がありました。きのこは樹木の状態を私達に知らしめる、「樹木の代弁者」と言われる所以です。
続いてのきのこは「冬虫夏草」の一種、オオセミタケです。アブラゼミの幼虫から発生し、マッチ棒のような頭部まで長く伸びた様子を、標本も併用して観察しました。冬虫夏草という言葉は知っていても、実物を見た事のある方は少ないようです。特に普段は地中に埋もれている幼虫の部分も見られた事が、皆さんの印象に残ったようでした。
「京都御苑自然教室」は春夏秋冬、一年に4回開催しています。詳細は京都御苑ニュース、苑内ポスター、ホームページ等で随時お知らせしています。初めての方もどうぞお気軽に参加下さい。