夏のトンボ池一般公開
7月1日~3日、夏のトンボ池一般公開が行われました。例年は8月ですが、今回は見ごろのハンゲショウをご覧いただけるようにこの日程の開催となりました。
半夏生(はんげしょう)は元々、夏至から数えて11日目の事を指す言葉です。今年の夏至は6月21日で、公開初日の7月1日が半夏生でした。ちょうどその頃に開花する事からハンゲショウの名がついたとも、開花時期に花に一番近い葉の片側が白くなる事から「半分化粧→半化粧」となったとも言われています。
葉が白くなる時期でないと、意識する事も少ないのでしょう。毎年トンボ池に来ていても、これ程多くのハンゲショウがあると気付かなかったとおっしゃる方もおられました。
昆虫で注目を集めたのは、キムネクマバチに寄生する珍しい「ヒラズゲンセイ」です。真っ赤な体色と立派なアゴが特徴で『赤いクワガタ』の異名を持ちますが、実際はクワガタではなくツチハンミョウ科の昆虫です。体液に「カンタリジン」という毒成分がある為、直接さわらないようにと講師から説明がありました。
ヒラズゲンセイがとまっているのは、木製の案内板に開けられたキムネクマバチの巣穴のすぐそば。ほぼ定位置にいるので公開中毎日観察できました。
御苑で見られるようになったのは、実はここわずか2年程です。出現地域や期間が限られ、キムネクマバチとの関係性も含めまだまだ謎の多い昆虫なのだとか。
神奈川県からお越しの男性は、「地元ではまず出会えない、ヒラズゲンセイを見られただけでもここに来た価値があった。見れば見るほどかっこいい昆虫ですね。」と大変喜んでおられました。
受付テントに大きなトンボが迷い込み、講師が捕えるとヤブヤンマでした。折角ですから身体に触って見ましょう。トンボの翅がつるつるではなくざらざらとしている理由を、扇子に例えて説明していただきました。
さらに指をトンボの顔の下に差し出すと、6本の脚でしっかりと掴んできます。はじめは緊張気味だったお子様たちも、その感触におおはしゃぎです。
その他にもこの季節らしい、トンボ池ならではの様々な生きものたちとの出会いを楽しむ事ができました。
(写真:マンネンタケ 和名はサイワイタケ、カサの上に幸せが宿ると言われている)
「幸せになれますように!」
(皆さんが見ているのは…?)
「えっ、こんな所に…??」
(写真:樹木のウロから顔を出すモリアオガエル)
(写真:仲良く?樹液を吸うカナブンとゴマダラチョウ)
次回の公開は来年度、新緑の時期を予定しています。詳細は決定次第お知らせ致します。