皇居外苑の空は朝から厚い雲が広がり、今にも雨が降り出しそうな空模様です。散策に適した過ごし安い気候の中、本日は皇居外苑和田倉地区に位置する「和田倉門」と「和田倉橋」を目指します。
楠木正成像側の皇居外苑楠公レストハウスを出発して、クロマツの混じった緑地内を大手門の方向へ。森林浴を楽しみつつ歩いて行くと、10分ほどで和田倉噴水公園が見えてきます。
和田倉噴水公園は、昭和36年に今上天皇の御成婚を記念して創建された水と緑の広がる癒しの公園。園内には公園のシンボルである大噴水と、様々なテーマが設けられた流水施設があり、都会のアオシスとして人々に親しまれています。
(以前ご紹介した和田倉噴水公園についてのブログはこちら→和田倉噴水公園)
そんな噴水公園の北東に位置する、公園の入り口の一つが和田倉門です。
和田倉門は1620年(元和6年)の改築で東北の諸大名により枡形が構築されました。
和田倉噴水公園内には、和田倉門の渡櫓門の石垣も残されています。
そしてこちらの木橋が和田倉橋。皇居のお濠に架かる橋で江戸時代の「木橋」の姿が残されているのは、この「和田倉橋」と「平川橋」のみです。
この橋より内側は、大手門や桔梗門(内桜田門)から入場する大名や武士が通行する橋で、一般人は通ることができませんでした。
建設年は不明ですが、1620年にはすでに存在していたとの記録があります。橋は関東大震災で大きな被害を受け、その後1953年に往時の木橋を模したコンクリートの橋へと生まれ変わりました。
橋の欄干に飾られているこちらの擬宝珠(ぎぼし)は、元の橋のものを使用しているそうですよ。
明治天皇がはじめて江戸城に入場する際には、呉服橋を通った後、こちらの和田倉門を通り、江戸城西の丸に入られました。
近代的なモニュメントや大噴水がある一方で、江戸時代の面影を色濃く残す和田倉噴水公園。皇居外苑散策の際は、是非お立ち寄りください。
皇居外苑楠公レストハウスでは、江戸時代に江戸の庶民が晴れの日のご馳走として作っていた行楽弁当を、江戸時代の料理書を参考に再現した「江戸エコ行楽重」としてお客様に提供しています。散策の際のご休憩は、江戸の美味しい食文化に舌鼓されてはいかがでしょう?
2015年8月31日 10:45