大温室のバックヤードツアーを開催しました

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 夜になると虫の声が聞こえるようになり、 秋の気配が少しずつ感じられるようになりました。園内でも爽やかな風が吹き抜け、来園されたお客様も心地よさげに散策されていました。
 本日、大温室ではバックヤードツアーを開催いたしました。月1回限定で温室担当職員が通常非公開のバックヤード(栽培所)をご案内するツアーです。
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 バックヤードでは、絶滅危惧種をはじめ、100年以上に渡って栽培してきた新宿御苑作出のランなど、たくさんの希少な植物を栽培しています。
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  現在、新宿御苑の大温室では約2700種の植物を保有しており、そのうち約1200種がランの仲間です。バックヤードでは、植物の栽培や管理を日常的に行い、花の咲いたものやお客様にぜひ見ていただきたい植物などを大温室に展示しています。
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 栽培している植物の中には、温度や湿度に敏感なものが数多くあり、例えばランの仲間でも、寒さが苦手な品種や湿気を好む品種などさまざまです。バックヤードは全11棟からなり、それぞれ異なった温度で管理しています。状況に応じて、天窓や側窓、遮光ネットの開閉をしたり、湿度を調整するために、スプリンクラーで水を撒いたりします。また、夏季用と冬季用の換気扇を使い分けたりと、たくさんの設備を整え、それぞれの植物の生育環境に近い状態を作り出し、栽培し管理しているのがバックヤードなのです。
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 冷房を完備している冷温室の中ではフクバイチゴが栽培されています。暑さが苦手なフクバイチゴのために、厳重な温度管理がされており、現在は白い花が咲き、細長い実がいくつも成っていました。フクバイチゴは新宿御苑が宮中の御料農場だった時代に福羽逸人が作出したイチゴで、現在のイチゴのルーツです。
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 日本の絶滅危惧種の管理棟では、種を蒔いて発芽させたり、挿し芽で増やしたりと、114か所の植物園や研究施設と連携し、リスク分散を図り、情報の共有をすることで、絶滅危惧種の保全に取り組んでいます。
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【フクロダガヤ(絶滅危惧ⅠA類)】
 参加されたお客様は、さまざまな設備にたいへん関心を持たれ、改めて植物の生命力に感激されていたようでした。
 バックヤードツアーおよび大温室鑑賞教室は毎月1回ずつ行っておりますのでぜひお気軽にご参加ください。

2019年8月21日 12:00

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