8月に入ってから連日、気温が35℃まで上がり、雲一つない青空の広がる良い天気の一日となりました。気温は高いものの、時折園内を通り抜ける風は肌に心地よく、木陰の下でのんびりと過ごしているとセミの大合唱に鳥たちの歌う声と、都会にいることを忘れてしまいそうです。

本日ご紹介するのは、『生きている化石』といわれているメタセコイアです。
メタセコイアは、化石が発見されているだけで、約200万年前に絶滅した種として考えられていました。しかし、1945年に中国で自生木が発見されてから、『生きている化石』として有名になりました。
現在では、公園樹や街路樹として良く植えられていますが、新宿御苑には、昭和25年にカリフォルニア大学のR・Wチェネー博士から2年生の苗が2本配られました。下の池の島に植栽されている樹が、当時頂いたものといわれています。

【下の池】
中国原産、スギ科の落葉高木で、現地では高さ35メートルにもなります。下の池をはじめ、母と子の森やこども広場など園内各所に植栽されていますが、どの木も高さ30メートルと高木に育っています。樹形はきれいな円錐形で遠くからでも目につきます。

【風景式庭園】

近づいて葉を観察すると、明るい緑色が美しく、柔らかな葉が太陽に照らされきらきらしていますが、秋になると赤褐色に紅葉します。

【秋の紅葉の様子・下の池】
美しく色づいた葉の色から、別名「曙杉(アケボノスギ)」とも呼ばれ、毎年、紅葉を楽しみにされているお客様も多くいらっしゃいます。

【秋の紅葉の様子・こども広場】
冬には落葉し、堂々とした樹形を表し、カメラの被写体としても人気の木になります。

【冬の様子】
新宿御苑の歴史とともに歩み、四季を通して表情を変えるメタセコイアをご覧ください。
【新宿御苑・歴史巨樹シリーズ】
2019年8月 4日 17:20