今日も、真夏の太陽がキラキラと輝いて、気温がぐんぐん上がっています。蝉時雨の園内を歩いて、日本庭園に向かうと季節外れのウグイスのさえずりが響いていました。
本日は、日本庭園にある茶室「楽羽亭」にて、お点前の見学イベントを開催いたしました。
「楽羽亭」の中は、「沈香」がふんわりと香り、静かな空気が流れています。外界を思いださせるのは、蝉とウグイスの声だけで、心を静かにして、お抹茶をいただくと、心と身体がシャキッとするようです。
今日のお茶菓子は錦玉(寒天のお菓子)の「水面」です。水辺の美しい透明感が波紋で演出されていて、口当たりだけでなく、目にも涼しい夏らしいお菓子です。
見学されていたお客様にお話を伺うと、お孫さんが小さい頃から、楽羽亭に連れていらしているということで「ここで、この娘にお茶のお作法を少しずつ教えてきたのよ。今日は見学もできて良かったわ。」と喜んでくださいました。
楽羽亭は新宿御苑の日本庭園内にある優美な茶室です。木の香り漂う純日本的な建物と洗礼された庭先は格調高く、落ち着いた雰囲気の中で茶事をたしなむことができます。
小間(4畳台目)、広間(10畳)、立礼席(30席)の3つの部屋があり、貸出しも行っております。
新宿御苑が皇室庭園であった明治39年(1906)ごろに建設されました。当時の日本庭園には鴨場があり、楽羽亭は皇室の休憩所として利用されていました。楽しそうに鳥たちが羽ばたいてゆく姿をイメージしたのが名前の由来となっています。昭和20年(1945)の空襲で焼失しましたが、昭和62年に復元されました。
お点前見学イベントは一部の季節を除き、月1回行なわれる予定です。新宿御苑にお越しの際は一服いかがでしょうか。
2019年8月 3日 16:08