新宿御苑・歴史巨樹シリーズ ユリノキ

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 連日のように、梅雨明けはいつになるのか?という話題が、ニュースになっていますが、園内に出てみると、太陽が顔を出し、気温も30度を超えて、梅雨明けが近いことを肌で感じます。
 本日は、新宿御苑にある巨樹の代表格、新宿御苑のシンボル・ツリーでもあるユリノキをご紹介します。
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 ユリノキは花の形をユリの花にたとえたことが名前の由来で、チューリップに似た花形から、英名ではチューリップツリーと呼ばれています。4月の終わりごろから5月中旬にかけて花を咲かせ、花が終わると翼果が松かさ状に集まった果実を見ることができ、秋頃には黄葉と共に翼果が風に乗ってパラパラと飛ぶ姿もお楽しみ頂けます。(花の写真は2019年4月25日撮影)
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 園内には約30本植栽されていますが、中でもひと際存在感を放っているのは、風景式庭園の真ん中に威風堂々と立っている3本ユリノキです。遠くから眺めると1本の大木のように見えますが、実際は3本が寄り添って立っています。1本の幹回りは約5メートル、樹高は高いもので約35メートルにまで生長しており、風景式庭園のどこからでも見ることができます。
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【旧洋館御休所前のユリノキ】
 
 園内のユリノキは、新宿御苑が農作物や園芸植物の栽培試験場「内藤新宿試験場」だった明治20~30年代頃に、日本で初めて植えられたといわれており、樹齢は推定120年以上。明治40年には、街路樹育成用に園内のユリノキの種子が東京に払い下げられ、赤坂迎賓館から外堀通りの紀伊国坂をはじめ、現在東京都内の街路樹のユリノキは、御苑のユリノキが母樹であるといえます。
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 巨樹が作り出す大きな影の下は、絶好の休憩スポットです。3本ユリノキの下に設置されてあるベンチに座っていると、芝生の青い香りが吹き抜け、とてもリラックスできます。
 園内散策の際には、巨樹のもとで歴史を感じながら一息入れてみてはいかがでしょうか。

2019年7月25日 15:56

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