大温室観賞教室&バックヤードツアーを開催しました

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 本日は薄雲りで過ごしやすい気候の中、みどりフェスタが開催され、大温室では大温室観賞教室とバックヤードツアーをお楽しみいただきました。
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 みどりフェスタのメイン会場のブース「植物園における生物多様性保全」の受付では、早い時間からたくさんのお客様にお申し込み頂き、毎回2班に分かれて温室やバックヤードに向けて出発しました。
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 11時からは大温室鑑賞教室を開催しました。入口近くのタビビトノキの紹介では「タビビトノキという名前ですが、この大きな葉をつたって雨水が葉の付け根部分に溜まり、旅人の咽喉を潤したからという説と葉の向きが変わらないので旅人が方角を知る手がかりになったという説があります。」と説明がありました。
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 「こちらに注目して頂きたい植物があります。」と言って紹介されたのはリュウキュウベンケイです。この植物は野生絶滅してしまった高いランクの絶滅危惧植物です。開発などで自生地がなくなってしまったような絶滅危惧植物は、数か所の植物園が協力して保存を行っています。
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 普段は、植物に触れることの出来ない温室ですが、ツアーの時は特別に職員が葉や花を採って香りをお楽しむ頂くこともあります。今日はレモンマートルの葉やギンコウボクの花の香りをお楽しみ頂きました。お客様はレモンマートルの葉を手に取って「癒されるわー」と話していらっしゃいました。
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 13時と14時からはバックヤードツアーを開催しました。「ここからが普段はお入り頂けない秘密の花園です。」と紹介があり、一行は温室横からバックヤードに進みました。
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 まず一行は大温室の特別室に向かい「新宿御苑の大温室のビッグプロジェクトです。」と説明がありました。(大温室鑑賞教室では温室側から見学しました。)この特別室で栽培されている植物はオオバシマムラサキという小笠原の植物です。絶滅が心配されているオガサワラシジミチョウはこのオオバシマムラサキの花芽にだけに卵を産み花を食べて育つチョウです。多摩動物園ではオガサワラシジミチョウを飼育していますが、リスク分散で新宿御苑の大温室でも飼育することになりました。チョウは生まれて成虫になるサイクルを1年で3サイクルしますので、一年中花が咲く環境をつくる為に、挿し木をしていろいろな成長段階のオオバシマムラサキを用意して育てています。
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 一行はボイラー横を通過して、栽培室に向かいました。
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 栽培室では、代々のスタッフが守り育てているランの植替え方法や花にかけないようにひとつひとつ丁寧にする水やりの苦労話も出ました。
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 冷房が完備している冷温室の中にはフクバイチゴが栽培されています。フクバイチゴは新宿御苑が宮中の御料農場だった時代に福羽逸人が作出したイチゴで、現在のイチゴのルーツです。「今皆さんの食卓にのぼっているイチゴは5代ほど遡るとフクバイチゴにつながります。」という説明に、ツアー参加のお客様は驚いていらっしゃいました。
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 ツアー中、お客様は案内のスタッフにご自宅の植物の相談されたり、熱心に写真を撮られたり和やかな雰囲気でツアーをお楽しみいただきました。最後に旧洋館御休所の紹介を聞きながら園内にお帰りいただきました。
 
 
  

2019年4月29日 17:55

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