☆巨樹の歴史を知ろう! ~ 第8回 カツラ ~

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 台風18号が接近している影響か、朝から雨脚が強くなったり弱くなったりと不安定な気候となっています。ご来園されたお客様も雨を避けるように、休憩所で雨の風景を眺めたり、温室鑑賞などを楽しまれていらっしゃいます。
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 「巨樹」をテーマに、新宿御苑の歴史的な巨樹をご紹介するシリーズも第8回となる今回は、日本に自生する広葉樹であるカツラをご紹介します。
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 公園や街路樹としても見かけるカツラですが、新宿御苑には中の池や庭園外周などに約10本のカツラが生育しています。とくに中の池に植栽されている大木のカツラは、樹高12メートル、幹周り約550センチにもなる巨樹まで育ち、『新宿御苑 名木10選』のひとつにも選ばれています。
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 カツラは長寿の木としても知られていますが、日本最古のものとされる「糸井の大カツラ(樹齢2000年、幹回り20メートル/兵庫県)」を筆頭に、樹齢数百年から千年以上にもなる古木が、日本各地で天然記念物に指定されています。新宿御苑のカツラの木も皇室庭園となる明治時代よりもさらに昔、江戸時代の高遠藩主内藤家の下屋敷時代からあった木のひとつといわれています。
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 長い年月を新宿御苑と歩んできたカツラの木ですが、玉藻池近くに植栽されているケヤキと同じく、木にぐるぐると巻かれた包帯が目に留まります。こちらの木も、樹木治療を目的としたもので、老朽化して傷んだ巨樹の幹に土の中と同じような環境を作り、発根を促しています。
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 園路には一足早く黄色に染まった葉が落ちていました。ハート型のような丸っこい形が可愛らしいですね。紅葉期には、木全体が黄金色に染まり、辺り一面に甘いキャラメルのような香りが立ち込めます。
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(11月上旬頃のカツラ)
 
【新宿御苑の巨樹の歴史を知ろう! 過去の記事はこちら】

2017年9月17日 12:34

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