にぎやかなセミのコーラスが響き、トンボが飛びかう園内。暑い季節は生きものたちがにぎやかに活動する季節ですが、草木が元気いっぱいに生長する季節でもあります。
先日の記事でもご紹介させていただきましたが、現在、新宿御苑では定期的な芝刈作業を行っています。
旧皇室庭園の歴史をもつ新宿御苑は、広大な敷地にイギリス風景式庭園、フランス式整形庭園、日本庭園と趣の異なる3つの庭園がデザインされています。
そのうちもっとも大きいのが、広々とした芝生と点在する巨樹が特徴のイギリス風景式庭園です。堂々とたたずむ巨樹と芝生の奥に見えるビル郡が借景となり、都会のオアシス・新宿御苑を代表する景観となっています。
御苑の芝生は、東南アジア原産のコウライシバ(高麗芝)と、日本や中国などに自生するノシバ(野芝)の2種類。
見分けるのは少し難しいかもしれませんが、触れるとチクチクする細長い葉がコウライシバ、やわらかく少し幅が広い葉がノシバになります。
お客さまからは「いつもきれいな芝生に癒されます」「芝生でピクニックするのが家族の恒例行事です」などなど、御苑の芝生に親しみを感じていらっしゃる声を多く寄せていただきます。
いつも芝生がきれいな理由は、こまめなお手入れにあります。
御苑では5月の連休明けから10月を芝刈の期間としていますが、とりわけ草葉がぐんぐんと伸びる夏は1週間に1回のペースで刈込みをしています。
(写真:草葉の伸びた芝生)
広くて平坦な芝生地は、芝刈機やスイーパーなど大型の専門車両を使い分けながら、庭園担当職員が作業を行います。
芝刈機は草丈を揃えて芝を刈れるタイプのものを使い、夏は2センチ程度の高さで整えます。芝生を近くでよく見てみると、刈られた芝生の葉先が同じ高さで整えられている様子も観察できます。
樹木が多い場所や植え込みの中、傾斜のある場所などは車両での作業が難しくなるので、職員が刈払機を使って草刈り作業を行います。
芝生を刈った後の刈草は、スイーパーという車両型の掃除機を使い、吸い込んで集めてゆきます。
集めた刈草もゴミとして捨ててしまうのではなく、必要に応じて植栽エリアへ戻す等して、発生材のリサイクルにも取り組んでいます。
また、落ち葉で作った腐葉土の活用など、日頃より自然環境資源の循環利用に取り組んでいます。
(写真:スイーパーの効果はご覧の通り!)
芝生の縁などは、職員がこまやかに手作業で行います。

(写真:←作業後/→草の伸びた芝生)
新宿御苑では木々が自然樹形でのびのびと生育できるよう作業を行うとともに、お客さまに安全・快適に園内をご利用いただけるよう、季節や植物の生育等にあわせた庭園管理を行っています。
また現在、イギリス風景式庭園の芝生の傷みがひどいエリアについて、一部養生を行っており、通行いただけない区域があります。
私たち国民公園協会では、これからもみなさまに愛され親しまれる庭園管理に取り組んでまいります。
作業中はご不便をおかけしますが、ご理解ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
2017年8月24日 11:40
