新宿門から入られて、母と子の森へ向かう外周園路を進むと、歴史巨樹のラクウショウの森が見えてきます。ラクウショウは、新宿御苑の名木10選にも選ばれています。
「足もとににょきにょきと生えているこれは、いつみても面白い形をしているね。」とお客さま。
木道を進んでいくと、地中から様々な形をしたものが生えているのが見えます。これは「気根」と呼ばれる根っこです。
原産地の北アメリカでは、湿地や沼地に生息しているため地中に根を張り巡らせていると、酸素を充分に吸収することができません。そのため酸素不足を補うために、地上や水面に気根という呼吸根を出しています。都内でこれほど気根が発達した木は大変珍しく、とても貴重なもので、国内でも希少な生育地であるといわれています。
ラクウショウ(落羽松)は名前に『松』が付きますが、スギ科の落葉高木です。先日ご紹介したユリノキと同様に明治20~30年に、日本で初めて新宿御苑に植えられたといわれています。もっとも大きいもので樹高約35メートルほどにまで生長しています。
朝は青葉を叩くように強く降っていた雨は開園まもなく上がり、灰色の曇り空が広がっていましたが、夕方頃には雲間から太陽が顔をのぞかせました。気温は30℃を越えているものの、轟くような風が吹いているためか暑さは感じず、散策しやすい日となっています。
2015年7月23日 15:50