お知らせ

庭園を守るお仕事通信6月号【温室班】

庭園を守る取り組み

いつも新宿御苑にご来園いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は温室班の6月の作業から「フクバイチゴの植え替え」をピックアップしてご紹介します。

「フクバイチゴ」は現在の国産いちごの祖先というべき存在です。「とちおとめ」や「あまおう」「女峰」「とよのか」など、いま日本で食べられている多くのイチゴが、新宿御苑の地で作出された「福羽イチゴ」から品種改良されたものです。

新宿御苑の地は、牧畜園芸の改良を目的とした「内藤試験場」を経て、明治12年(1879)から「新宿植物御苑」として皇室の御料地・農園として運営されました。
明治31年(1898)、新宿御苑の農学博士であった福羽逸人(ふくばはやと)は、フランスの「ゼネラル・シャンジー」というイチゴ品種から国産イチゴ第一号となる「フクバイチゴ」を作出しました。当時は皇室献上用で「御苑イチゴ」や「御料イチゴ」とも呼ばれ、門外不出の果物でしたが、大正時代に促成栽培用の高級品種として全国に普及しました。長細い楕円形の大ぶりなイチゴで、色・形・味・香りともに優秀な品種として、世界的にも名声を得るほどの有名なイチゴになりました。

「フクバイチゴ」は、今も温室のバックヤード(非公開)で系統を守りながら大切に育てられています。定期的にランナーで増えた子株を鉢に移す鉢上げや、大きな鉢への植え替えを行いますが、今回は植え替えを行いました。
ポットの中の根が成長して混んでくると生育に影響するので、ポットから根を傷つけないように慎重に出し、枯れ葉があれば除去しながら、大きなポットへ移します。

水が抜けやすいように鉢底には大き目のごろ土を入れます。

深すぎず、浅すぎず。土がこぼれないようにウォータースペースを作りながら植えます。

植え終わったら、水をたっぷりと与えます。

冷温室に移されたフクバイチゴは、夏でも適温で栽培されています。

新宿御苑で誕生したフクバイチゴ。これからも守り育てて、後世にバトンを渡していきます。

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