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庭園を守るお仕事通信5月号【菊班】

庭園を守る取り組み

いつも新宿御苑にご来園いただきまして、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令に伴い、令和3年4月25日(日)より新宿御苑は臨時閉園しております。
閉園中におきましても新宿御苑の自然や庭園風景を、インターネットを通してご鑑賞いただきたく、引き続き情報発信を行います。
スタッフ一同、みなさまにご来園いただける日まで、庭園や植物の栽培管理をしっかり行ってまいります。
何卒ご理解とご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。

本日は庭園管理業務のひとつ「菊栽培」にスポットをあて、菊班の5月の作業から「肥後菊の支柱立て」をピックアップしてご紹介します。

肥後菊の歴史は古く、肥後藩(現熊本県)藩主・細川重賢(しげかた)が江戸時代中期に肥後菊の栽培を武士の精神修養としたのが始まりです。季節に応じた手入れ方法や苗の配置などが記された「養菊指南車(ようぎくしなんぐるま)」という手引書が藩士・秀島七右衛門(英露)によって著されました。栽培方法や飾り方に独特の様式があるのが特徴で、新宿御苑の肥後菊も秀島流に則って作られています。
肥後菊についてはこちら>>

肥後菊は前・中・後の3列に高さをつけて植え込みます。支柱立ては茎をすっと真っ直ぐな美しい形にするための作業です。

今回は、一番後ろに植え込む菊の支柱立てを行いました。
鉢の縁から茎の高さが20㎝を超えたものは、摘芯します。上部の健全に育った1枝芽、2枝芽がしっかり伸びた後、枝分かれするように、余分な脇芽などを摘み取ります。
横、後ろから見て真っ直ぐになるように支柱を立てます。この時、根を傷つけないように細心の注意が必要です。

その後、太くてしっかりとした下の方の茎はテープを使って支柱に沿わせます。上の方の軟らかい茎は一気に支柱に沿わせてしまうと折れてしまうため、様子を見ながら時間をかけて、少しずつテープで寄せていきます。
品種によって枝の広がり方や、葉の付き方が違うので、とても繊細な作業です。熟練のスタッフが作業を行っています。

細かい作業の積み重ねが凛とした肥後菊を作っています。

11月1日から開催の菊花壇展では、会期後半にみごろとなる肥後菊。ぜひ菊花壇展にお越しの際は、じっくりご鑑賞ください。

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