温室企画展示 【Look at 実】
いつも新宿御苑にご来園いただきまして、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症の更なる感染拡大防止のため、緊急事態宣言の発令に伴い、令和3年4月25日(日)より臨時閉園しております。
園内の自然情報の発信については、新宿御苑の庭園風景をインターネットを通してご鑑賞いただきたく、引き続き情報発信を行います。
スタッフ一同、みなさまにご来園いただける日まで、庭園や植物の栽培管理をしっかり行ってまいります。
何卒ご理解とご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。
温室の実をお楽しみいただいている毎年恒例の企画展示【Look at 実】今回はオンラインでご紹介します。
人と熱帯の植物コーナーでは、バショウ科のサンジャクバナナがたわわに実っています。今は花が咲いてから半年ほど経った状態で、まだ青みが強いですね。
バナナの実の花は大きな苞の中に小さな花がたくさんあり、苞がめくれる度に1段花が咲き、実ります。
ひと房には12~13個のバナナがついています。幾重にも重なるように花が咲き実がなりますので、ここだけで、80本位のバナナが実っているようです。
背丈が低いので、サンジャクバナナという名前がついています。三尺は約1mですが、2mくらいまで育ちます。実の大きさや味は販売されているバナナと変わりません。
花を咲かせた株は枯れ、子株へと世代交代します。
熱帯低地の植物コーナーからは3種類。まずはタコノキです。
タコノキは小笠原原産タコノキ科の植物です。多くの気根をたこの足のように発生させるのが名前の由来です。
【写真↑:まだ実っていないタコノキ】
果実はだんだんと赤く熟してバラバラになって木から落ちます。かぞえたところ、この集合果には64個の実がありました。
熱帯性の甘い香りがしますが、繊維質で硬くて食べられません。果汁は甘いですが、香りに誘われた虫との競争になります。
次は、みんなが大好きチョコレートの原料カカオノキです。
カカオノキは中央、南アメリカ原産のアオギリ科の植物です。
花は、幹や枝から直接咲き、実ります。
果皮は厚く堅いです。実の中には、白く甘い果肉(カカオパルプ)に包まれた種が20~50個入っていて、それを加工するとチョコレートになります。
最後にご紹介するのは、ジャボチカバです。
ジャボチカバはブラジル原産のフトモモ科の植物です。
ジャボチカバも幹から直接花を咲かせます。結実するとブドウのような実をたくさんつけます。
舌触りは、ライチの様なつるんとした触感で、味は甘く熱帯性の香りがあり酸味は少ないそうです。日持ちしないため市場に流通はしませんが、その場で食べることができる農園もあるようです。