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庭園を守るお仕事通信4月号【温室班】

庭園を守る取り組み

本日は庭園管理業務のひとつ「温室」にスポットをあて、温室班の4月の作業から洋らんの植替えをご紹介します。

洋らんは、鉢に植えたまま置いておくと根が生長し、鉢の中が窮屈になっていくため、植え替えが必要です。
洋らんの健康を保つためにも、温室担当職員は適宜植替えを行っています。

洋らんはウイルスに弱い植物なので、作業前、作業中も一株ふれるごとに手を洗い、清潔な手で作業をします。
また、ハサミなどの道具も一株作業するごとに、バーナーによる熱消毒と殺菌をしてから使用します。

鉢から出した洋らんは、株を半分に分けて土を取り払った後、清潔なハサミで根を整理していきます。

古い根を覆った皮の中には、カイガラムシが繁殖する可能性があるので、丁寧に皮をはがして清潔にします。

一般的に洋らんにはミズゴケを使用することが多いですが、新宿御苑では、らん専用の養土や園芸用軽石などを混ぜて使用し、水掃けが良い環境を作っています。
高温多湿な熱帯地域に多く自生する洋ランですが、意外にも根っこの部分は乾燥した環境を好みます。
ミズゴケに比べて乾燥が早い用土を使うことで、洋ランの生長を助ける効果があります。

温室担当職員が日々、洋らんの状態に応じて植替え行い、毎年冬に綺麗な葉を咲かせ、多くのお客様にご覧いただいております。

以前には、「洋ランの植替え教室」としてお客様に間近でご覧いただいておりましたが、今年はコロナ対策として、特別室で行っている作業をガラス越しにご覧いただけます。

新宿御苑では、明治の頃より温室で園芸種だけでなく原種の収集が盛んに行われましたが、昭和のはじめには洋らんの品種改良を行い、数多くのオリジナル品種を作り出しました。新宿御苑は洋ラン発祥の地であり、戦火を逃れ守り抜かれた洋ランが、現在でも多くの人々のたゆまぬ努力によって大切に育てられています。

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