お知らせ

庭園を守るお仕事通信1月号【菊班】

庭園を守る取り組み

いつも新宿御苑にご来園いただきまして、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症の更なる感染拡大防止のため、緊急事態宣言の発令に伴い、令和2年12月26日(土)より臨時閉園しております。
園内の自然情報の発信については、冬の新宿御苑の庭園風景をインターネットを通してご鑑賞いただきたく、引き続き情報発信を行います。
スタッフ一同、みなさまにご来園いただける日まで、庭園や植物の栽培管理をしっかり行ってまいります。何卒ご理解とご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。

本日は庭園管理業務のひとつ「菊栽培」にスポットをあて、菊班の1月の作業から「タネの選別」をピックアップしてご紹介します。

新宿御苑では毎年11月1日から15日に「菊花壇展」を開催しています。
会期中は日本庭園内に上家(うわや)とよばれる建物を設け、特色あふれる菊の花々を、皇室ゆかりの独自の様式を基調に飾り付けます。
しばしば、菊花壇展を鑑賞されたお客様から「展示している菊はどこで育てているんですか?」という質問をいただくことがありますが、すべて新宿御苑で栽培した菊です。
(↑写真:大作り花壇/作り始め:明治17年(1884))

園内には専用の栽培所があり、菊栽培の担当スタッフが一年かけて菊花を栽培しています。
菊といえば秋の花として知られていますが、花の時期に美しく咲かせるため、季節に応じたさまざまな作業を行っています。
(↑写真:菊の栽培所※2018年撮影)

冬季の大切な作業のひとつが「タネの選別」です。
一般的に菊は、切り取った株の一部から新しい根を出させる「挿芽(さしめ)」という方法で増やします。挿芽は親と同じ性質をもつクローン苗が作られるため、タネから育てるよりも早く花が咲きます。
しかし、御苑ではより良い品種を生み出すため、品種と品種をかけ合わせてタネを作る「育種(いくしゅ)」を行っています。

まず11月の花の時期に、咲いた花の花粉を手作業で授粉をさせます。授粉作業では将来的に花壇に展示したい品種を選び、毎年40種以上の育種に取り組みます。
花が終わった後に熟したタネを採取し、ピンセットを使って選別します。作業は菊栽培スタッフのほか、入園窓口や巡回スタッフ、売店スタッフも一緒に行いました。
(↑写真:選別したタネ)

新宿御苑の菊花壇展は皇室ゆかりの技術を受け継ぐ伝統行事です。
その歴史は古く、明治11(1878)年に宮内省が皇室を中心として菊を鑑賞するため、赤坂の仮皇居で開催された「菊花拝観」がルーツとなっています。明治37年からは新宿御苑で菊の栽培が始まり、昭和4年(1929)からは鑑菊会も御苑で開催されるようになりました。
その後、昭和24(1949)年に国民公園として開放され、宮内省時代より受け継いだ伝統ある菊花壇展もはじめて一般に公開されました。
以来、新宿御苑の秋を彩る代表的な行事のひとつとして親しまれています。
(↑写真:懸崖作り花壇/作り始め:大正4年(1915))

私たち国民公園協会は、宮内省時代の伝統的な展示様式を継承するとともに、これからも日本の古典菊の品種の保全と栽培管理に取り組んでまいります。

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