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肥後菊花壇

新宿御苑の見どころ

 今日は朝から晴れ、気温もぐんぐんと上昇し、気持ちの良い散策日和の一日となりました。菊花壇展もいよいよ終盤となりこれまで御苑の菊花壇展を彩る7つの花壇のうち6つをご紹介しましたが、本日は最後の菊花壇となる「肥後菊花壇」をご紹介いたします。

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 肥後菊は、江戸時代の肥後(熊本県)藩主の細川重賢(ほそかわしげかた)公の園芸奨励によって栽培が始められ、発達した古典菊です。肥後菊の栽培は藩士の精神修養と位置付けられ、清廉なこの菊を例に武士道の意義を説いたといわれています。

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 肥後藩士の秀島英露がまとめた『養菊指南車(ようぎくしなんぐるま)(文政2年(1819))』という指南書には、季節に応じた手入れ方法や苗の配置などが記されており、栽培方法や飾り方に独特の様式があるのが特徴です。

 かつては藩外への流出が固く禁じられ、長いあいだ門外不出の秘花とされていました。戦後は肥後椿、肥後山茶花、肥後花菖蒲、肥後朝顔、肥後芍薬とともに「肥後六花」のひとつに数えられています。

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 花は一重咲き。1株で四季を表現しており、花は「春」、葉は「夏」、下草は「秋」、茎は「冬」と1本で色々な季節をお楽しみいただける菊です。平たい花びらの「陽の木」と、管状の花びらの「陰の木」の異なる2つの品種を仕立て、黄、白、紅と配色よく、前・中・後の3列それぞれに、低・中・高と高さをつけて植えこんでいます。

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 つい花にばかり注目しがちですが、肥後菊は花壇全体の調和の美しさを鑑賞するものとしています。青竹とよしずの素材をいかした上家は、日本の伝統的な職人技が随所に感じられます。また、肥後菊が植えこまれた土間は、黒土の上に苔で化粧をほどこしてあり、風雅な趣が印象的な花壇となっています。

 清楚なたたずまいの菊花をはじめ、茎や葉、そして上家、土間など、ぜひ花壇全体での調和を意識しながらご覧ください。

■菊花壇展・菊花壇解説展■

 

(1)新宿御苑菊花壇展

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■日時:

2019年11月1日(金)~11月15日(金)(期間中は無休)

9:00~16:00(閉門は16:30)

■会場:

新宿御苑内 日本庭園(東京都新宿区内藤町11)

■料金:

新宿御苑への入園料が必要です。

一般500円(30人以上団体割引:400円 ※事前申込不要)

65歳以上250円 ※窓口で年齢の確認できる証明書の提示が必要です

学生(高校生以上)250円 ※窓口で学生証の提示が必要です

小人(中学生以下) 無料

■内容:

皇室の伝統園芸を受け継ぐ「菊花壇展」を開催します。

 

(2)菊花壇解説展

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■日時:

2019年10月29日(火)~11月17日(日)(期間中は無休)

9:00~16:30(最終日は15:00まで)

■会場:

新宿御苑インフォメーションセンター 1階アートギャラリー

■料金:

無料

■内容:

新宿御苑菊花壇展の魅力を分かりやすくご案内します。

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