ホンアマリリスの花が咲いています
暦のうえでは処暑にあたり、開園間もない時間ですと園内はひんやりとした空気に包まれ、秋の気配を実感する季節となってきました。高い空に秋の鰯雲が浮かぶ頃になると、勢いよく地を割ってホンアマリリスの仲間が花柄を伸ばします。
サービスセンターの近くで、少し前まで華やかに薄紫や白の花を咲かせていたアガパンサスからバトンを渡されたかのように、太い茎の先に薄紅色の花を咲かせています。
「緑の多い園内に舞い降りた妖精の様だね。」とお客様。
1本のすらっと伸びた茎の上に6~8輪の豪華な色彩の花姿は、毎年散策されるお客様を惹きつけ、カメラで撮影を楽しまれる花となっています。
南アフリカ原産のホンアマリリスは別名ベラドンナ・リリーといいます。ベラドンナはイタリア語で美しい女性という意味ですが、名前通りのユリ形の端正な気品ある花ですね。
一般に言うアマリリス(ヒッペアストルム属)の多くの種が花と一緒にも葉も展開させるのに対し、ホンアマリリス(アマリリス属)は開花時にはヒガンバナのように地上部に葉がありません。
日中はアブラゼミやミンミンゼミが鳴いていますが、閉園間際にはツクツクホウシなどセミの大合唱も秋へと移ろいでいます。空の雲と風の囁きの中に近づく秋の気配を感じながら御苑の散策をお楽しみください。