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初夏の果実ビワが熟しています

初夏のみどころ

 連日気温が30℃を超える真夏日が続き、太陽の光がさんさんと降り注いでいます。ご来園されたお客様の服装も、半袖に短パン、帽子に日傘と夏の装いで、木陰を巡りながら散策を楽しまれていらっしゃいます。

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 玉藻池近くの風景式庭園の芝生の上で、ビワの実がみごろをむかえています。

 枝がしなりそうな程いっぱいにオレンジ色のしずく型の実がなり、遠目からでも目を惹きます。

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 ビワは園内に20本ほど植栽がありますが、一番樹形が良く、間近で観察していただけるのはこの玉藻池近くに植栽されている木です。

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 かつて、このビワの園路を挟んだ向かい側には、高さ約10メートルを超えるビワの大木がありましたが、2013年1月の降雪により倒木しました。その大木は、明治12年(1879)頃、新宿御苑に勤務していた植物学者・田中芳男が、長崎から持ち帰ったビワの種から作った『田中ビワ』の原木といわれています。その後、田中ビワは全国に普及し、主に愛媛県・千葉県・香川県などで栽培されています。

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【写真↑:平成23年撮影】

 新宿御苑の庭園改造の礎を担った福羽逸人も、この田中ビワから新しい品種を作ったそうです。当時は一つの実の中に7~8個種が入っているものばかりでしたが、福羽が作ったビワは種が2個で果肉がとても多かったそうです。

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【写真↑:福羽逸人】

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 現在、玉藻池近くでたわわに実をつけている木は、この大木の実から発芽し、生長したものです。また、大木のあった場所には田中ビワの原木から挿し木をした株がスクスクと成長しており、植物の命のリレーが行われています。また園内に暮らす野鳥たちも、ビワの実を心待ちにしていたように、ビワの実を美味しそうに食べている姿を観察できます。

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【写真↑:田中ビワの原木から挿し木をした株】

 園内には、涼やかな木陰や休憩場所がたくさんあります。こまめに水分を取りながら、植物や生き物の観察をお楽しみ下さい。

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(※新宿御苑では動植物の採取は禁止しておりますので、花や葉、実などをとらないようお願いいたします)

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