旧洋館御休所の一般公開がはじまりました
平成最後の今日は朝からしとしととふっていた雨は昼過ぎには上がり、園内の空気はしっとりと潤っています。木の上からは鳥のさえずりがあちこちから聞こえ、静かで穏やかな時間が流れています。
本日4月30日より、旧洋館御休所の一般公開がはじまりました。
約18万坪の広大な庭園で四季折々の自然散策が楽しめる新宿御苑の園内には、皇室の伝統を受け継ぐ貴重な建造物が現在も受け継がれています。そのひとつがサービスセンターのとなりにある重要文化財「旧洋館御休所」です。
19世紀後半にアメリカで流行したスティックスタイルを基調とした希少な洋風木造建築です。日本の伝統建築にあるように、多くの木の軸組で造られた木造平屋建ての建物で、柱が細く繊細な印象が特徴となっています。
天皇や皇族の休憩所として今から約120年前の明治29年(1896)に温室で植物を観賞される際の休憩所として創建され、大正時代後半からはクラブハウスとして使用されました。明治大正期の皇室関係の庭園休憩施設として唯一の遺構であること、意匠的に優れた建造物であることなどが高く評価され、平成13年(2001)に重要文化財に指定されました。
4月30日~5月6日まで、新天皇即位記念として特別展示が行われています。御苑ゆかりの植物でダイニングテーブルを飾り、皇族主催の昼餐会や晩餐会が開かれていた当時を再現しています。
各部屋ごとにコンセプトを持たせた装飾となっておりますので、御休所で配布される資料とともにお楽しみください。
※旧洋館御休所は重要文化財のため、建物内部の撮影はご遠慮いただいております。みなさまのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いします。
旧洋館御休一般公開日については、環境省管理事務所HPをご覧ください。