純白のタマスダレ
9月も残すところあと4日。昼間は気温がぐんっと上がって、じわっと汗ばむような蒸し暑さを感じますが、朝晩はひんやりと冷たい風が吹き秋を感じるようになりました。
新宿門から大木戸門に向かう園路を進んでいくと、左手側に明治29年(1896)に創建された建物、旧洋館御休所がご覧いただけます。19世紀後半にアメリカで流行したスティックスタイルを基調とした現在では希少な洋風木造建築です。建物の足元では、タマスダレの花が可愛らしく風に揺られています。
タマスダレは、ヨーロッパからインドを経て、かなり古い時代に渡来したとされ、昔から庭や花壇の縁どりによく利用されています。
名前は、花のつぼみを鉱石の玉に、細長い葉をすだれに例えたことにの由来します。古くは、玉飾りのついたすだれを「玉簾(タマスダレ)」と呼んで、窓の日よけに使っていました。また、花を咲かせる時期に、乾燥した天気の後に雨が降って球根が潤うと、花をわっと咲かせることから『レインリリー』や英名では、「そよ風(西風)のユリ」「妖精のユリ」とも呼ばれています。
タマスダレは千駄ヶ谷門ゲート外の植込みにもありますので、千駄ヶ谷門をご利用の際はご覧ください。