水辺に映えるススキの穂
さわやかに晴れた休日になりました。日本庭園上の池の水辺で、秋の七草のひとつススキ(尾花)が見ごろをむかえ、秋の庭に趣きを添えています。
ススキはイネ科の多年草で、全国各地の日当たりの良い山野に自生しています。茅葺き屋根の材料や家畜のエサとして利用されていたことから、かつては、集落の近くにはススキの草原が広がっていました。
古くから日本人の身近にあった植物として、万葉集の中にも『尾花』『ススキ』両方の名前が度々登場しています。その一つをご紹介します。
『 秋の野の、尾花(をばな)が末(うれ)を、押しなべて、来(こ)しくもしるく、逢へる君かも』
阿倍朝臣蟲麻呂(あべのあそんむしまろ)
『 秋の野の尾花(をばな)を穂先を押し分けてやってきたから、あなたに逢えました。』
『尾花』という意味は、ふわっと垂れる穂が動物の尾に似ていることからつけられたとされています。ススキという名前に関しては、すくすく育つ木(草)という説がありますが、はっきりとしたことは分かっていません。
秋の休日。風に揺れるススキの穂をお楽しみください。