新緑とサツキが織りなす花景色
日本庭園やイギリス風景式庭園、中の池周辺、フランス式整形庭園など園内各所でサツキ(皐月)がみごろをむかえました。
(写真:中の池)
(写真:日本庭園)
みずみずしい若葉色にサツキの花色が映え、初夏の新宿御苑の庭園に華やぎを添えています。
(写真:イギリス風景式庭園)
(写真:フランス式整形庭園)
サツキは別名サツキツツジとも呼ばれ、ツツジ科ツツジ属に分類される常緑低木です。
原種は関東地方以西の本州のほか、屋久島に隔離分布する日本原産植物ですが、園芸文化が花開いた江戸時代の中頃にツツジのブームがあり、数百種類以上ともいわれる多くの園芸品種が作出されました。
(写真:レストハウス前)
ツツジとサツキは花がよく似ていますが、サツキの花期は5月下旬から6月下旬と、ツツジよりも1か月ほど遅く開花します。ツツジとサツキをおおまかに区別するために、4月に咲くものをツツジ、5月下旬から咲くものをサツキと呼び表すようになったそうです。
お客様よりよくお問い合わせをいただく「ツツジとサツキの違い」ですが、だれでも一番分かりやすいのは花の時期です。ほぼ1か月遅れて咲くサツキは、毎年この時期にだけご覧になれる花です。
また、少し上級者向けになりますが、サツキの方が葉や枝に毛が多いことなども特徴のひとつとされています。
花を観察なさるときは、ぜひ小さな虫になった気持ちでじっくり観察してみてくださいね。
サツキというと、初夏に身近な公園や街中でもよく目にする植物のひとつですね。ピンクや赤、白、紫、絞りなど個性ゆたかな花色の品種があるほか、丈夫で剪定にも強いことから、盆栽や生垣、庭木として広く親しまれています。
(写真:中の池)
園内でもコロンと丸い形や、四角ばった生垣など、さまざまな樹形でご覧いただけます。
また、仲良く隣り合わせに並んで植えているところもあり、遠くから眺めてもはっと目をひく鮮やかさは見ごたえがあります。
(写真:イギリス風景式庭園)
今日は空一面に灰白色の雲が広がり、ときおりぱらぱらと小雨が降るお天気となりました。まだ梅雨入り前ではありますが、ご来園のお客さまも雨傘を手に園内散策を楽しんでいらっしゃいました。
草木の緑とサツキが織りなす花景色をぜひお楽しみください。
(写真:日本庭園)