【11月29日~12月4日】第28回「新宿御苑洋らん展」を開催
本日から大温室で「第28回新宿御苑洋らん展」が始まりました。新宿御苑恒例の行事のひとつで、昭和58年(1985年)に始まり今回で28回目となりました。洋らん愛好家の皆様の応募作品約200点と新宿御苑で栽培している洋らんを展示しています。今年は紅葉のベストシーズンと洋らん展の会期が重なり、紅葉散策を楽しまれた後に、暖かい温室でゆったりと洋らんを楽しまれるお客様で賑わっています。
眩しい光射す温室を順路に沿って歩かれると、熱帯の植物の中にたくさんの鮮やかな洋らんが配置されています。洋らんと一言で言っても、色、形、大きさも様々です。清楚なラン。可憐なラン。妖艶なラン。丹精込めてつくられた作家の皆さまの情熱と自然の造形美に驚かされます。
入賞作品のコーナーは順路の最後、出口の手前に展示されています。
新宿御苑が日本の本格的な洋らん栽培の発祥の地といわれているのはご存知ですか?その歴史は御苑が植物の栽培試験場だった明治時代にまでさかのぼります。
明治5年(1872)、徳川家康の家臣・内藤家の江戸屋敷をルーツとする新宿御苑の地に、国内外の農園芸の研究を行う国営の農業機関「内藤新宿農事試験場」が開設され、様々な西洋野菜や果物、樹木や花卉などの栽培が行われました。
明治8年(1875)に無加温の温室が完成し、続いて明治25年(1892)には加温式の洋風温室が建築されました。皇室行事などで用いられる洋らんや花の温室植物栽培が行われたほか、ランの交配も行われました。
現在、新宿御苑では、かつて御苑で作出された独自の洋らん品種をはじめ、戦前に作出された品種や、ワシントン条約で国際的な取引が規制されている洋ランの保護栽培に取り組んでいます。
日本の近代園芸と本格的な洋らん栽培の発祥の地、新宿御苑で、洋らんの咲き誇る華やかな世界をお楽しみください。