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2016新宿内藤とうがらしサミットが開催されました

イベント・セミナー

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 平成28年9月25日、学習院女子大学で新宿内藤とうがらしフェア実行委員会の主催する「新宿とうがらしサミット(2016)」が開催されました。

 新宿ゆかりの江戸東京野菜である内藤とうがらしをテーマに、地域の学校やNPOが栽培や研究、学習活動の取り組みの成果を発表しました。

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 内藤とうがらしは、新宿御苑が徳川家康の家臣・内藤氏の下屋敷であった江戸時代より栽培され、やがて新宿一帯へと広まっていった伝統野菜です。

 とうがらしというと辛みの強い鷹の爪がおなじみですが、内藤とうがらしはマイルドな辛みと昆布のお出汁のような旨みが特徴です。

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 江戸時代の新宿御苑は、徳川家康の家臣・内藤氏の下屋敷でした。敷地内の菜園でとうがらしの栽培がはじまると、江戸のおそばブームとともに大変な評判となり、やがて周辺の農家でも栽培されるようになりました。

 秋の実りの季節には、新宿から大久保、早稲田から高田馬場にかけて一帯の地が、真っ赤なじゅうたんを敷いたような風景になるほどだったそうです。

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 江戸の都市化にともない、いったんは姿を消してしまいましたが、2008年に発足した内藤とうがらしプロジェクトにより、一度は絶滅した内藤とうがらしの種探しから栽培、研究を重ねた後、本格的な復活の取り組みが始まりました。

 その後、新宿区内の学校や公共施設、商店街などで栽培がはじまり、現在は地域での苗の配布や商品開発なども行われ、内藤とうがらしの取り組みの輪が広がっています。

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 とうがらしサミットでは、まず、内藤とうがらしプロジェクトリーダーの成田重行氏より、開会の挨拶がありました。

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 成田重行氏は内藤とうがらしについて、復活の中心は学校活動であり、子供たちから家庭へと取り組みの輪が広まってゆきました、と紹介しました。

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 続いて、新宿区長の吉住健一氏より、子どもたちに向けて、種を採れる野菜である内藤とうがらしを通して、命のつながりについて考えるきっかけにしてほしいというお話がありました。

 また、内藤とうがらしが、新宿の昔を今に伝える歴史的なシンボルであるとともに、これからは新宿ならではのお土産として、国内外の方に親しまれる、新宿のシンボルとなっていくことを祈念しますとの祝辞が述べられました。

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 次に、江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂氏より、江戸東京野菜の魅力をご紹介いただきました。

 江戸東京野菜は名前のとおり、江戸で生まれ、人々の食生活を支えた伝統野菜です。野菜ひとつひとつに物語がありますが、とりわけ、江戸で発展したという背景から、徳川将軍家とも深いつながりがあります。

 たとえば「鳴子ウリ(府中御用ウリ)」は徳川家康、秀忠親子と関わった野菜です。

 家康、秀忠は、美濃の真桑瓜を好んで食べていました。家康が江戸城に入城した天正18年(1590)、江戸の近くでも真桑瓜を栽培するため、府中の地に、美濃から真桑瓜名人2人を呼び寄せ栽培させました。収穫した真桑瓜は8月上旬、江戸城まで「御用瓜」の幟を建てて、幕府に納入されました。

 ほかにも、8代将軍の徳川吉宗は、名前のなかった青菜に「小松菜(伝統小松菜)」の名をつけた逸話があります。

 内藤とうがらしをはじめとする江戸東京野菜の大きな特徴が、種を採れる固定種であるということです。

 地域の小学校では、子どもたちが育てた江戸東京野菜の種を、先輩から後輩へと受け継ぐ、命の学習活動が行われています。小さな種を通して「命がつながってゆく」ことを体感する食育活動教材として活用されています。

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 最後に、学習院女子大学教員の品川明教授から、内藤とうがらしは歴史的、文化的、教育的な価値がある伝統野菜であり、地域学校での取り組みがさらに広まることに期待をよせるとともに、今後も内藤とうがらしを通して、地域学校のみなさんと一緒に、新宿、そして日本を盛り上げてゆきましょう、と挨拶がありました。

 続いて、新宿地域の学校やNPOの栽培の取り組みや学習活動の報告会が行われました。

■四谷小学校

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 内藤とうがらしをテーマに、四谷の歴史について調べ学習を行いました。町会長さんをはじめ、地域のを元気にする活動をする人たちに、いろいろな質問に答えてもらったり、思いを聞かせてもらいました。学習の成果をパンフレットにまとめ、保護者に見てもらいました。江戸から続く街の歴史に対して、子どもたちの関心や行動の意識が高まりました。

 「江戸(東京)に住む人の一人として、未来へ江戸の伝統野菜を伝えていきたいです!」

■花園小学校

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 内藤とうがらしについて、歴史や栽培、調理など総合的な学習活動を行い、その成果をテーマごとに分かりやすくまとめて発表しました。内藤とうがらしを使った料理の人気ランキングは、第一位:カレー、第二位:アイスクリーム、第三位:大人の味の蜂蜜、という結果になったそうです。これから地域のお祭りでも、内藤とうがらしと学習の取り組みを紹介したいです。

■大久保小学校

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 内藤とうがらしの苗の栽培と観察、収穫を行い、とうがらしで作った作品や料理を紹介しました。これまでの活動では、新宿中村屋さんからレクチャーを受けて、カレー作りを行いました。また、内藤とうがらしを染料にして作った暖簾は、小学校に飾っています。地域のお祭りを通して、もっと内藤とうがらしをいろいろな人に知ってもらえるよう活動したいです。

■都立園芸高等学校

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 内藤とうがらしプロジェクトの栽培研究の取り組みを紹介しました。今年はコンパニオンプランツ栽培に取り組み、課題となったカメムシ対策や、干しとうがらしを作る際の気温の違いによる影響を調べました。来年はさらに調査研究を進めてゆきたいです。

■西新宿小学校

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 内藤とうがらしと内藤かぼちゃの歴史や栄養を調べたり、先輩から受け継いだ種の栽培と観察を行いました。できた内藤とうがらしと内藤かぼちゃは収穫して、良さをいかした美味しいレシピづくりにチャレンジしました。内藤とうがらしの料理では、卵ご飯とペペロンチーノを作りました。学んだことを次の後輩たちへ引き継いでゆきたいです。

■服部栄養専門学校

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 「おいしいサイエンス」をテーマに、内藤とうがらしに合う食材探しと、レシピ作りに取り組みました。美味しさを感じるポイントは「味」と「香り」。今回は特に「香り」をポイントに、内藤とうがらしと香りの相性の良い食材として「金柑」に注目しました。10月1日からはじまる内藤とうがらしフェアで、内藤とうがらしと金柑を組み合わせたオリジナルジャムをご紹介する予定です。

■早稲田大学 学生NPO農学塾

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 早稲田・大隈庭園に田んぼ「わせでん」を作り、お米の栽培をするとともに、脇の菜園で内藤とうがらしを作っています。「内藤とうがらしの再興と地域ブランド化」をコンセプトに、新宿区内各所で取り組む「とうがらし普及プロジェクト」に協力しています。今年は栽培した内藤とうがらしの加工にも取り組み、オリジナルふりかけを考案中です。

■学習院女子大学

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 内藤とうがらしと市販のとうがらしの比較をして、内藤とうがらしの特徴や栄養成分を科学的に分析しました。その結果、内藤とうがらしは、一般的な鷹の爪、甘長とうがらし、辛とうがらしに比べて、うまみと甘みの成分が圧倒的に多く、また、体の調子を整えるアミノ酸が多く含まれることが分かりました。在来種の自然な野菜だからこそ、大切な栄養素が豊富なのかもしれません。

■学習院(幼稚園、初等科、中高女子部、中高男子部)

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 学習院では幼稚園から大学、院長の方まで、みなさんで内藤とうがらしを応援しています。今年はおもに内藤とうがらしの栽培活動に取り組みました。学習院初等科では、栽培した内藤とうがらしでオリジナルソースを作りました。学習院中高等科では、収穫した内藤カボチャを使った料理作りにも取り組みました。

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 活動発表のまとめでは、料理研究家の宮崎理恵氏より、学校での取り組みについてコメントが寄せられました。

 内藤とうがらしをはじめ、江戸東京野菜にはまだまだ分かっていないことがたくさんあります。野菜の特徴や、美味しい食べ方など、みなさんと情報を共有しながら、これからも研究を続けていきましょう、とのお話がありました。

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 学習活動では、子供たちが新宿ゆかりの江戸東京野菜を通して、地域の歴史や文化に目を向け、愛着を感じて一生懸命に取り組んでいる姿が印象的でした。

 最後に、参加者全員で「内藤とうがらし宣言」を行い、閉会となりました。

 内藤とうがらしについては、新宿御苑内エコハウスの展示スペースで、9月26日(月)より展示もはじまります。

 新宿御苑にご来園の際は、ぜひエコハウスへお立ち寄りください。

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 続いて後半の部では、場所を調理室に移して「内藤とうがらし簡単クッキング“生春巻き”~つくろう!食べよう~」が開催されました。

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(写真:生春巻き、うまく巻けるかな?)

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(写真:内藤とうがらしはどこに入っているかな?)

 今後ますます地産地消が注目されるなか、新宿の歴史や農業文化に光が当たってゆく、その中心が内藤とうがらしになってゆく未来もそう遠くないのかもしれません。

 私たち国民公園協会は、今後も新宿御苑の歴史を守る取り組みを進めてまいります。 

■【第3回】新宿内藤とうがらしフェア■イベント開催予告!

 とう(10)がらし(4)にちなみ、平成28年10月1日(土)から10月10日(月祝)まで、新宿各地で内藤とうがらしの魅力を発信するさまざまなイベントが開催されます。

 >>「【第3回】新宿内藤とうがらしフェア」詳しくはこちら

 新宿御苑では平成28年10月8日(土)~10日(月祝)に江戸東京野菜をご紹介する野菜市場を開催します。

 >>江戸東京野菜市場チラシ(PDFファイル)

「GTFグリーンチャレンジデー2016」(平成28年10月1日(土)、10月2日(日)開催)でも新宿内藤とうがらしプロジェクトのブースが出展されます。

 >>「GTFグリーンチャレンジデー2016」詳しくはこちら

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