南国ムード満点♪ いろいろな”ハイビスカス”の仲間を楽しもう
大温室ほか各所で、いろいろなハイビスカスの仲間がみごろをむかえています。
(写真:ブッソウゲ/大温室)
ハイビスカスとはアオイ科フヨウ属(Hibiscus)に分類される植物の総称のこと。なかでも、ハワイのレイや花飾りなど、装飾品に用いられるブッソウゲ(Hibiscus rosa-sinensis)が、ハイビスカスの代表種として知られています。
御苑には大温室をはじめ、園内各所にハイビスカスの仲間を植栽しています。夏を彩るハイビスカスを愛でながらの園内散策に行ってみましょう♪
(写真:白花ブッソウゲ/大温室)
まずは大温室にやって来ました。温室正面入り口より入館し、順路に沿って進んでゆきます。
池には熱帯性スイレンやオオオニバスが咲いています。
池のすぐ手前で咲いているのが、真っ赤なブッソウゲです。
5枚の花びらが漏斗状に開き、花の中央から蕊柱(おしべとめしべ)が長く伸びているのが特徴です。
温室の正面入り口から入り、そのまま廊下をまっすぐ進んでいくと、白花ブッソウゲがみごろをむかえています。花の形は同じですが、花色が違うとずいぶん印象も変わりますね。
ブッソウゲはたくさんの園芸品種があり、花の色も紅や白のほか、桃、黄色、橙色など、さまざまなバリエーションで親しまれています。
先日、花が咲いている様子をご紹介した、小笠原コーナーのモンテンボク(別名テリハハマボウ/Hibiscus glaber)もハイビスカスの仲間です。日本の小笠原諸島にのみ自生する、貴重な固有種のひとつです。
モンテンボクのすぐ隣りには、近縁種のオオハマボウ(別名ユウナ/Hibiscus tiliaceus)も植栽しています。
(※モンテンボク、オオハマボウは現在どちらとも花は咲いていません。)
大温室を出て、芝生の広がるイギリス風景式庭園を散策しながら、千駄ヶ谷門の方へ向かってみましょう。
中の池にかかる橋を渡ると、園路の先に千駄ヶ谷休憩所が見えてきます。
千駄ヶ谷休憩所のすぐ横でみごろをむかえているムクゲ(Hibiscus syriacus)も、ハイビスカスの仲間です。
こちらでは薄紫色・一重咲きと、紅色・八重咲きのムクゲがご覧いただけます。
ムクゲは中国原産の花木で、日本には江戸時代には既に渡来していたといわれています。
江戸時代は日本の園芸文化が花開いた時代でもありますが、ムクゲもこの頃に、一重咲きや半八重咲き、八重咲きなど、花色もさまざまにたくさんの品種が作られました。
サービスセンター前に並んだ鉢はアメリカフヨウ(Hibiscus moscheutos)です。ご来園のみなさまに楽しんでいただけるよう、開花期限定で特別に展示しています。
花はまだつぼみですが、丸くふくらんだつぼみは、もう数日のうちに咲きはじめそうですね。
アメリカフヨウは名前の通り、北アメリカが原産地です。これまでにご紹介したハイビスカスの仲間たちはいずれも木本でしたが、アメリカフヨウは草本性です。このことから、クサフヨウ(草芙蓉)の別名もあります。
(※みごろマップ夏号に記載の「フランス式整形庭園のアメリカフヨウ」の植栽はなくなりました。アメリカフヨウの花は、ここサービスセンター前でお楽しみいただけます)
先日7月7日は日本各地で今年一番の暑さを記録しました。7月7日といえば七夕の日ですが、暦の上では小暑となります。小暑とは、梅雨明けも近づき、本格的な暑さをむかえる頃で、セミの合唱や、蓮の花の開花がはじまるといわれています。
夏の新宿御苑で、南国ムード満点の花々をお楽しみください。