華やかな八重桜がみごろ!御苑の桜のベストシーズンです
イギリス風景式庭園など園内各所で八重桜がみごろをむかえました。手まりのようにぽってりと咲いているのは、御苑の桜の代表品種・イチヨウ(一葉)です。整った丸みのある樹形がほんのりピンク色に染まり、まるでお菓子の綿あめのよう。
このほか、黄色の桜・ウコン(鬱金)や緑の桜・ギョイコウ(御衣黄)など、特色あふれる八重桜がみごろをむかえ、華やかな八重桜の共演が楽しめます。
今日は朝から小雨が降る一日となりましたが、お昼過ぎには雨もあがったようです。
ご来園のみなさまは傘を手にしながら、みごろの八重桜との記念撮影を楽しんでいらっしゃいました。
(写真:イギリス風景式庭園)
ここのところ、お客さまより「新宿御苑ではまだ桜が咲いているんですか?」というお問い合わせをよくいただきます。東京には桜の名所が数多くありますが、連日の雨風により、そろそろ葉桜になってきているところも多いようです。
(写真:桜園地の花びらのじゅうたん)
園内でもソメイヨシノは花を散らし、花びらのじゅうたんを作り上げていますが、このソメイヨシノに続いて咲くのが八重桜です。園内にはソメイヨシノが約400本ありますが、八重桜も約25種400本を植栽しています。御苑ではソメイヨシノが終わり、八重桜がみごろをむかえるこの4月中旬が桜のベストシーズンとなります。
(写真:桜園地)
これほどたくさんの桜がなぜ御苑にあるのでしょうか?
その秘密は明治時代の皇室庭園時代にまでさかのぼります。
新宿御苑は明治39年(1906)に日本初の本格的な近代西洋式庭園として誕生した皇室庭園です。明治時代に国際親善のために始まった皇室行事のひとつが「観桜会」でした。明治14年に皇室主催の桜の鑑賞会「観桜御宴」として吹上御所で始まると、毎年4月に催されました。その後、明治16年から大正5年までは浜離宮、大正6年から昭和13年までは新宿御苑を会場に開催されました。
当時の新宿御苑には約70種もの桜が植栽されていましたが、その後さらに全国へ桜の苗木提供を依頼し、大正8年には約160種1560本の桜を植栽したといわれています。
現在も皇室庭園時代から受け継ぐ古木を含めた約65種1100本の桜が御苑の春を彩ります。
(写真:イチヨウ)
いまみごろのイチヨウ、ウコン、ギョイコウに続いて、晩春の八重桜のカンザン(関山)やフゲンゾウ(普賢象)、フクロクジュ(福禄寿)のほか、菊桜のケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)やバイゴジジュズカケザクラ(梅護寺数珠掛桜)も咲きはじめています。お天気にもよりますが、来週中にみごろをむかえそうです。
(写真:咲きはじめたカンザン、奥にフゲンゾウ)
園内各所の売店では、ほんのりと桜の香りがただよう春ならではのスイーツや、お土産を取り揃えています。散策にほっとひといき、ご来園の際にはぜひお立ち寄りください。新宿御苑限定商品もございますので、ご来園の記念やご家族やお友達へのお土産にもおすすめです。
八重桜が咲き誇る園内でゆったりとしたひと時をお過ごしください。