日に日に気温が下がり、随分と冬らしくなりました。雨の降る寒い早朝、苑内は人も生きものもまばらです。
そんな中、大きな鳥が苑路に舞い降りました。日頃から上空を旋回しているトビです。その存在は珍しくありませんが、苑路上を歩く姿に出くわすことはそう多くはありません。
しばらくするとカラスが現れました。カラスは猛禽類を徹底的に嫌います。トビがカラスの幼鳥を襲うこともあるようですが、カラスがトビに対してモビング(擬攻撃/実際に襲うのではなく嫌がらせをして追い払う行為)を仕掛ける様子は御苑上空でもしばしば見られます。
このカラスも、トビがいることが気に入らなかったのでしょう。すかさずチョッカイを出し始めました。トビはたまらず、形勢を有利に保とうと縁石の上に飛び乗ります。
カラスも負けじと、トビの尾羽をくちばしで咥えると下からしつこく引っ張っぱり始めました。
…このような攻防が繰り返され、その一角だけはたいそうにぎやかな様子です。
すると、傍らに野次馬ならぬ野次鳥が現れました。水辺にいることの多いアオサギですが、この騒ぎを聞きつけわざわざ飛んできたのでしょうか?自らはその輪に加わらず、一定の距離を保ちただ遠巻きに様子を眺めています。単なる退屈しのぎなのか、何か考えがあっての見物なのか…。鳥に言葉が通じるのなら聞いてみたい所です。
この後通りかかった来苑者に驚き、鳥たちは解散とあいなりましたが、三鳥三様、独特の個性を垣間見ることができました。
2014年12月12日 14:00