七夕にまつわる植物 笹のほかにもあります!

カテゴリ:

 7月7日の今日は七夕ですね。灰色の雲が広がり、開園間もない時間にはしとしとと雨が降り出し、織姫と彦星は会えるでしょうか。
 
 七夕といえば、願い事を短冊に書いて笹の葉に飾る行事です。そのルーツは非常に古く、日本古来の年中行事である「棚機(たなばた)」と、中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」が由来していると考えられています。「乞巧奠(きこうでん)」とは織姫にあやかり機織りや裁縫が上達するように願う行事で、のちに書道や芸事の上達を願う行事になりました。
01na.jpg
 平安時代には、宮中行事として季節の野菜や果物を供え、香をたいて、楽を奏で、詩歌を詠み、星をながめました。里芋の葉にたまった夜露を天の川のしずくにたとえ、そのしずくで墨を溶いて神木である梶の葉に和歌をしたため願い事をしました。
 
 昔は今のように短冊に願いごとを書くのではなく、カジノキ(梶の木)の葉7枚に歌を書いて星に手向ける風習でした。
02na.jpg 
 カジノキはクワ科の落葉小高木で、園内では母と子の森にあります。高さはおよそ5~10mくらいで、葉には短毛が生えており、このざらざらとした葉っぱに筆と墨で歌をしたためたそうです。
03na.jpg
 葉をよく観察すると1本の木の中に、切れ込みがあるものや、卵形のものなど、さまざまな形がありとてもユニークですね。樹皮は和紙や縄、布などの原料に用いました。また、神社の境内などに多く植えられ、主に神事に用いられています。かつては、カジノキ(コウジ)から取れる木綿(ゆう)という繊維を使って衣を織り、神事の際に着たり、供え物の敷物に使っていたそうです。神道では、神聖な樹木のひとつとされ、そのことから神社の紋や家紋としても描かれています。
05.jpg
 枝先にはころっと丸い緑の実が成っていますが、一か月後には鮮やかなオレンジ色の実が熟し、新宿御苑に暮らす生き物たちの貴重な食べ物になります。
06na.jpg
【2018年撮影】
 
 カジノキの葉をご覧になりながら、織姫と彦星の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

2019年7月 7日 16:52

2019年9月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30