開園70周年記念 伊勢丹新宿・有職菓子御調進所「老松」お茶セミナーを開催しました

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 日本庭園にあるお茶室・翔天亭にて、新宿御苑一般公開70周年を記念して伊勢丹新宿店とのコラボレーションイベント「<老松>新宿御苑 茶亭・翔天亭お茶セミナー」を開催しました。
 京都で100年以上の歴史を誇る有職菓子御調進所「老松」当主の太田達氏を講師にお迎えし、和菓子とお茶を切り口に、日本の歴史や文化に親しむさまざまな話題をご紹介いただきました。
 私たち国民公園協会も事業協力を行い、新宿御苑の歴史と魅力をご紹介しました。
 
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 まずは国民公園協会新宿御苑 広報企画担当の本荘暁子より、新宿御苑の歴史とみどころについてご紹介しました。
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 本日の会場となった翔天亭のある日本庭園は、今から約140年前の明治時代には鴨場として作られ、昭和のはじめに現在の庭園に改装されました。お茶室・翔天亭のほか、楽羽亭や歴史建造物「旧御凉亭」があり、11月には皇室ゆかりの菊花壇展を開催する、四季のみどころと和情緒あふれる庭園です。
(写真↑:翔天亭)
 
 新宿御苑の歴史は、天正18年(1590)に徳川家康の家臣・高遠藩主内藤氏がこの地を拝領したときに始まります。内藤家の下屋敷であった江戸時代、敷地内の菜園では内藤とうがらしや内藤かぼちゃが栽培され、やがて新宿一帯へ広まりました。
 
 明治5年(1872)、大蔵省が高遠藩主内藤家の屋敷地跡に「内藤新宿試験場」を開設しました。
 大蔵大臣の大久保利通がリーダーとなり、新しい国づくりのためには農業の近代化が重要であると、外国産の野菜や果物、樹木、花卉の収集・栽培や、養蚕、牧畜など近代農業の研究、指導者の育成が幅広く行われました。
 明治12年には「新宿植物御苑」に改称し、皇室の御料地・農園として運営されました。
 メロン、オリーブ、リンゴ、ブドウなどの果樹、キャベツやトマト、たまねぎ、レタス、アスパラガス、マッシュルーム、にんにくなど、今では身近な食材の多くが御苑で試験栽培されたのち全国へ広まった歴史があります。
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 新宿御苑の発展に欠かせない人物が福羽逸人(ふくばはやと)です。
 福羽は明治10年に内藤新宿試験場の実習生となり、農商務省技官、宮内省式部官を務めました。園芸研究のため欧米にも留学しており、明治31年には新宿植物御苑掛長に就任しました。
 国産イチゴ第一号となる「福羽苺」の作出や、明治39年には皇室庭園「新宿御苑」を完成させるなど、多岐にわたって活躍しました。
(写真↑:福羽逸人)
 
 新宿御苑は昭和24年(1949)に国民公園として一般公開され、本年2019年で国民公園としての開園70周年を迎えます。
 近年は入園者数が250万人を超え、日本の大都市・東京を代表する庭園として国内外のみなさまに親しまれています。
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 続いて太田達氏よりご講演をいただました。
 太田氏は京都で100年以上の歴史を誇る有職菓子御調進所「老松」当主です。老松は有職儀式典礼にもとづく婚礼菓子や茶席菓子を中心に、たえず新しい菓子を生みだしており、和菓子とお茶を通して京都の歴史と日本の伝統文化の発信に取り組んでいらっしゃいます。
 
 「菓子」は古くは果物や木の実を表した言葉で、果物を水菓子と呼ぶのはその名残であったと考えられています。しかし一方で、奈良時代には古代中国から現代と同じ加工食品としての菓子も伝わっていたようで、お供え物などにも利用されていたそうです。
 そのため、菓子は古来より神と人、また人と人との間を取り持つ大切な食べ物とされ、日本文化の発展に大きな役割を果たしてきました。
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 本日は新宿御苑の開園70周年記念として、特別な和菓子とお茶をご用意くださいました。若葉の季節を表現した白と藤色のきんとんに、中の餡は京都丹波産の白大豆を使い、イチゴと内藤とうがらしの紅色を取り入れ、今日のために製作されました。
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 太田氏は毎回お菓子を作る時は、まず和歌を考えてからスケッチし、制作にかかるとのことで、この和菓子の制作秘話にお客様はとても驚いていらっしゃいました。
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 参加された皆様は茶道文化の魅力に触れ、歴史に思いを馳せながら、特別なひとときを楽しんでいらっしゃいました。
 
 国民公園協会ではこれからもさまざまな交流を通して、新宿御苑の植物や自然、庭園をよりよく未来へ繋いでいけるよう取り組んでまいります。

2019年5月19日 17:24

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