2018年 新宿御苑STUDY&CAFE「内藤新宿試験場と福羽逸人」を開催しました

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 6月23日(土)、NPO江戸東京野菜コンシェルジュ協会と国民公園協会新宿御苑の主催により「新宿御苑STUDY&CAFE 内藤新宿試験場と福羽逸人~現代に受け継がれる知られざる新宿御苑の歴史~」を開催しました。
 新宿ゆかりの内藤とうがらしや内藤かぼちゃなど、江戸東京野菜ともかかわりの深い新宿御苑を会場に、江戸東京野菜をめぐるさまざまな動きをお伝えする講座で、25名の方にご参加いただきました。
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 講座では、新宿御苑における農園芸と皇室庭園の歴史についての講演会と、皇室庭園時代の宮中晩餐会のメニューを、江戸東京野菜や御苑ゆかりの食材をもちいてご紹介しました。
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 まずはじめに国民公園協会新宿御苑 広報企画担当の本荘暁子が「内藤新宿試験場と福羽逸人~現代に受け継がれる知られざる新宿御苑の歴史~」をテーマに講演を行い、当時の貴重な書籍や資料、新聞記事を紐解きながら、新宿御苑の歴史を振り返りました。
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 江戸東京野菜とは、季節限定で旬があり、自家受粉で種を採ることができる固定種の野菜です。味や形など個性豊かで、それぞれに物語があり、東京の伝統野菜として注目を集めています。
 江戸東京野菜の内藤トウガラシと内藤カボチャは、新宿御苑が徳川家康の家臣の内藤家の下屋敷だった江戸時代に、敷地内の菜園で栽培された歴史があります。江戸のおそばブームとともに薬味として人気が高まると、最盛期には新宿から大久保にかけての一帯が真っ赤に染まるほど広く栽培されたそうです。
 
 その後、明治5年(1872)に入ると、内藤家の屋敷地跡に、国内外の農園芸の研究を行う国営の農業機関「内藤新宿農事試験場」が開設されました。
 内藤新宿試験場では、西欧から近代農業技術を取り入れ、海外産の野菜や果物、樹木、花卉の収集・栽培や、ジャムやピクルス、缶詰などの保存・加工、養蚕、牧畜など近代農業の研究、人材育成、民間への普及などが幅広く行われていました。
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 明治12年(1879)に内藤新宿試験場は「新宿植物御苑」に改称し、皇室の御料地・農園として運営されました。その後の明治39年には皇室庭園が完成しますが、このとき中心的な役割を担っていたのが、近代園芸の祖といわれる福羽逸人です。
 福羽逸人は安政3年(1856)に石見国(現在の島根県津和野)に生まれ、明治5年(1872)、16歳の時に内藤新宿試験場の実習生となりました。その後、明治11年からの農事修学場の勤務を経て、明治31年には新宿御苑の総責任者にまでのぼりつめました。
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 福羽が御苑で手がけた代表的な事業のひとつが、日本初の国産イチゴ「フクバイチゴ」の作出です。フクバイチゴは実が赤く、やや面長な形をしているのが特徴です。「とちおとめ」や「あまおう」など、いま日本で食べられている多くのイチゴもルーツをたどってゆくと福羽イチゴにつながります。
 このほか、無加温室でのブドウやメロンの栽培や明治33年(1900)のパリ万博への菊の大作りの出品、パレスガーデンとしての新宿御苑の大改造など、数多くの功績を残しました。当時の話題は新聞記事でもたびたび紹介されました。
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 福羽逸人は新宿御苑の総責任者を務めたあと、大正3年(1914)に58歳で大膳頭(だいぜんのかみ)に任命され、大正天皇の即位礼「大饗」の統括指揮を任されました。自ら栽培研究を行った経験や、国内外の食材への深い知見もあることからの大抜擢でした。
 ここで福羽は国産食材のみを用いたメニュー作りにこだわり、日本各地より優れた食材を集めて、大饗のメニューに取り入れたそうです。
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 大正12年の関東大震災から昭和時代中期にかけては、災害や戦争による暗い時代が訪れます。昭和20年(1945)の東京大空襲では、園内は一部建物を除きほぼ全焼という被害を受け、当時の資料もほとんどが焼失してしまいました。その後、終戦と昭和22年の閣議決定を経て、昭和24年(1949)に新宿御苑は国民公園として一般公開され、今日の庭園の姿があります。
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 新宿御苑が完成してからまもなく100年をむかえようかという平成16年(2004)、新宿御苑の職員と福羽逸人のご親族の方との出会いをきっかけに、福羽逸人が執筆した『回顧録』が偶然発見され、これまで知られていなかった新宿御苑の100年に渡る歴史が解明されました。
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 回顧録を通して判明した人と人、人と場所といったつながりもまだまだこれからの広がりが期待されています。これまでの新宿御苑の歴史には福羽逸人をはじめ、多くの人々思いと努力がありましたが、私たちもこの思いを受け継いで未来へ渡してゆくことが大切だと実感します、と締めくくられました。
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 続いてレストランに移動して、大正時代の宮中晩さん会をモチーフにしたメニューを召し上がっていただきました。
 今回のテーマは「御苑ゆかりの苺と江戸東京野菜の出会い」。伊藤秀雄総料理長が御苑ゆかりの食材や江戸東京野菜を使用し、季節感と現代風アレンジを加えたオリジナルメニューをご紹介しました。
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(写真:宮中晩さん会をモチーフにしたディスプレイ)
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(写真:カクテル金魚/内藤とうがらし、大葉)
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(写真:御苑ゆかりの野菜ピクルス)
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(写真:前菜/江戸東京野菜・自家製スモークサーモン、鮮魚のマリネフルーツ風味、自家製鴨胸肉の燻製)
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(写真:苺の冷製スープ ミョウガの香りと共に)
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(写真:伝統小松菜うどん冷製仕立て 旬の鮎を添えて※ディスプレイ)
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(写真:伝統小松菜うどん冷製仕立て、季節のサラダ若鳥ロースト添え)
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(写真:自家製鴨胸肉の燻製)
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(写真:秋川牛肉の焙り焼きソースニース風 千住ネギ・茄子・会津産アスパラガスと共に)
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(写真:谷中生姜ごはん・苺ごはんのタンバル作りと季節の漬物)
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(写真:デザート/人参のケーキ 御苑ゆかりの苺とフルーツ御苑風 福羽苺のジャムを添えて)
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(写真:福羽苺のジャム)
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 江戸東京野菜からは内藤とうがらし、伝統小松菜、馬込半白胡瓜、千住一本ネギ、寺島茄子、奥多摩ワサビ、早稲田ミョウガタケ、谷中生姜、足立のつまものが登場しました。東京産の秋川牛、御苑ゆかりの西洋野菜のイチゴやオリーブ、オニオン、ポワロ―、レタス、トマト、ニンジン、メロン、サクランボなどが華やかな彩りを添えます。
(写真:本日のフィージョン料理「御苑ゆかりの苺と江戸東京野菜の出会い」)
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 まずはウエルカムドリンクのカクテル金魚で乾杯です。金魚に見立てた内藤とうがらしの赤と、水草に見立てた大葉の緑が涼し気な一品です。苺シロップをオリーブサイダーで割った御苑オリジナルのノンアルコールドリンクです。
 こちらのオリーブサイダーも新宿御苑の歴史にちなんだ一品です。いまから約120年前の新宿農事試験場時代に、日本ではじめて御苑でオリーブの栽培が行われました。
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(写真:カクテル金魚と小豆島オリーブサイダー)
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 食事をお楽しみいただきながら、伊藤料理長が本日のメニューや食材、調理のポイント、レシピの解説を行いました。
 今回は御苑ゆかりのイチゴをメインテーマとしたことから、ドリンクから前菜、スープ、サラダ、メインディッシュ、ご飯、デザートに至るまで、すべての料理にイチゴを取り入れたのが特徴です。
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 イチゴというとお菓子によく使われる食材ですが、分類としては野菜になり、イチゴの味の特徴である甘酸っぱさや食感といった魅力を活かして、さまざまな料理に取り入れることができます。特にご飯にイチゴを用いた「苺ごはんのタンバル作り」は力を入れた一品で、皆さま興味深く召し上がっていらっしゃいました。
(写真:伊藤秀雄総料理長)
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 参加者の方からは「新宿御苑の歴史が良く分かりました。御苑には何度か来園していましたが、今日学んだ歴史を思い出しながら、じっくり庭園を見たいと思います」「野菜、歴史、料理と短い時間で多くのことが学べて大変ためになりました」「知って学び、食べて味わうことで、野菜や歴史のことをより深められたと思います」といった感想をいただきました。
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 新宿御苑では日頃より、レストランゆりのき、カフェはなのきにて、江戸東京野菜と東京産食材を使用した地産地消メニューをご紹介しております。
 ご来園の際には、ぜひ東京ならではの味わいをお楽しみください。
 

2018年6月24日 10:00

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