平成29年度 新宿駅東口地域 地震防災訓練に参加しました

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 11月16日(木)に新宿駅周辺防災対策協議会および新宿区が主催する「平成29年度 新宿駅東口地域 地震防災訓練」が開催され、環境省新宿御苑管理事務所職員と、私たち国民公園協会職員も参加しました。
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 新宿駅周辺地域は人工や商業業務機能が集中することから、首都直下地震発生時に大きな被害と混乱が起こると予想されています。訓練は、災害発生時における混乱防止と被害軽減のため、地域や防災関係機関の連携強化と、自助・共助を基本とする地域防災力の向上を目的としています。
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 今回はより実践的な訓練となるよう、先日11月6日と本日11月16日の2回に分けて実施されました。第2回目となる今回は、前回の模擬訓練を踏まえ、災害発生を想定した実働訓練を行いました。
 
(写真:なでしこ危機管理SATのみなさんによる、てこの原理を使った救出方法の実演)
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 訓練想定は、平成29年11月16日(木)平日の午後2時に、東京湾北部を震源地とするマグニチュード7.3の地震が発生したという状況が設定されました。
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 まずは東京都健康プラザハイジアにおいて情報共有訓練に取り組みました。
 ハイジア1階アトリウムに、区役所第一分庁舎1階と見立てたスペースを用意し、東口現地本部の設置と運用、SNSを活用した情報共有と伝達を行います。
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 東口現地本部には、避難場所や医療施設の状況や安全な経路、火災や負傷者の発生状況、駅など交通機関の周辺情報が集まります。
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 各自が情報を持ち寄るのと同時に、本部に集められた情報をそれぞれの施設や事業所へ持ち帰り、お客さまへの避難誘導等に活用します。
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 今回からは、より速やかな情報共有を行えるよう、DropboxやGoogleマップ、FacebookなどSNSを使った情報共有を行いました。
 従来の地図ボードに手書きで記入された情報がGoogleマップにポイントされ、それぞれの事業所から情報を確認したり、新たな情報を提供することが可能になりました。
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 続いて、大久保公園に移動し、負傷者対応訓練に取り組みました。
 公園の敷地内には、各事業所(応急手当所)、応急救護所、医療機関(病院)に見立てたスペースが用意されました。救出現場となる各事業所は、地震発生により多数の負傷者が発生した状況を想定します。負傷者役と救護者役を交代しながら、実際に救護活動を行います。
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 救護者はまず負傷者に声かけとトリアージを行い、優先的に病院へ搬送する重傷者を探し出します。
 都市における災害発生時には、医師や看護師、医療従事者や医療資源の不足が避けられません。一人でも多くの命を救うためには、多数の負傷者のなかから、いち早く重傷者を選別し、病院へ搬送する必要があります。
 
 まずは負傷者全員に声をかけ、自力で歩行できる負傷者は軽傷者として応急手当所へ誘導します。
 続いて、自力歩行できない負傷者ひとりひとりに声をかけ、意識や呼吸、脈の状態、出血の有無等から傷病状況を確認し、記録します。
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 重傷と判断した負傷者は応急救護所へ速やかに搬送します。災害が発生すれば救急車の到着が困難となりますが、担架やブルーシート、毛布などを活用することで、人の力だけで搬送することが可能です。
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 ブルーシートの中央に負傷者を寝かせ、3~4人が向かい合わせになり、シートの端を丸めて持ち上げて搬送します。
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 平均的な日本人男性で身長170センチ、体重65キロ、平均的なアメリカ人男性の場合は180センチ、88キロになります。安全に搬送するために、負傷者に応じて搬送人員を増やしたり、交代要員が複数付くなどの工夫も重要です。
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 応急救護所へ搬送した負傷者は、新宿区医師会と大久保病院の医療従事者によって再度トリアージが実施されます。
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 医療従事者のトリアージで、重傷の「赤」と判断された負傷者は、すぐに病院へと移され、医療処置が行われます。
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 災害時には緊急性の高い重傷者のみ医師の治療を要請し、軽傷者はそれぞれの事業所で私たち市民が応急手当てを行います。
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 救急用品が揃っていなくても、ガーゼのかわりに清潔なハンカチやタオル、包帯のかわりにストッキングやネクタイを利用することができます。また、副子(添え木)には雑誌、腕つりにはボタン付きの衣類やビニール袋など、身の回りのものを使うことができます。
 いざという時に家族や友人など身近な人を助けられるよう、日頃から防災訓練に参加し、知識や技術を身に着けておくと安心ですね。
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 最後になでしこ危機管理SATのみなさんにより、瓦礫の下敷きになった負傷者の救出方法の実演がありました。瓦礫と想定したベニヤ板は男性2人が乗り、約130キロほどの重さがありましたが、てこの原理を活用し、女性の力だけでも無理なく安全に救出活動を行うことができます。
 
 女性スタッフのみの事業所や、日中はオフィスに女性職員しかいないという事業所も多くあります。地震発生時に事務所内で大型機器や棚の下敷きになった負傷者がいた場合は、女性が中心となって人命救助にあたらなければなりません。だれもが救護活動に参加できるよう、幅広い方に向けた防災訓練のニーズも高まっているそうです。
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 閉会の挨拶では、新宿医師会の助川先生より「みなさんの適切な救護活動によって重傷者が優先的に搬送されてきたため、医療処置を速やかに行うことができました」とのお話がありました。
 大都市の大規模災害発生時には、医師や看護師、医療従事者が不足し、多くの命が失われるおそれがあります。一人でも多くの命を救うためには、市民一人一人が災害医療を理解し、協力できることが大切なのだと感じました。
 
 新宿御苑は新宿区における広域避難場所に指定されており、大規模な災害が起きた際に危険から身を守るための避難場所となっています。
 新宿御苑ではこれからも防災訓練を通して、新宿地域の防災力の向上と、職員の防災応急技能向上に努めてまいります。

2017年11月16日 17:00

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