命を結ぶ森の掃除屋さん

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 9月半ばを過ぎ、夏から秋へと季節がだんだんと移ろいゆくのが感じられます。
 秋の味覚として親しまれる食材のひとつにキノコがありますね。秋はみのりの季節といわれますが、キノコがたくさん観察できる季節でもあります。
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 さて、キノコは私たちの食卓に欠かせない食べ物としておなじみですが、キノコの特徴や生態、そして自然界において大切な役割があることはご存知でしょうか?
(写真:キシメジ科の仲間と思われるキノコ)
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 キノコは野菜や植物の仲間と思われがちですが、生物分類の世界では菌類(担子菌類と子のう菌類)に入ります。最近のDNA解析の研究では、キノコ・菌類は植物よりも動物と近い関係にあり、共通の祖先を持つグループであることが分かってきたそうです。
 
 ちなみに、名前に同じ「菌」とはつきますが、粘菌はアメーバの仲間に入り、大腸菌や納豆菌はバクテリアの仲間に入るので、キノコと動物よりも遠い関係になるそうです。
(写真:キシメジ科の仲間と思われるキノコ)
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 キノコというと森に生えるというイメージがありますが、新宿御苑のような都会の庭園でもいろいろな種類のキノコが見つかります。キノコは枯れ木や切株、腐葉土などによく生えるので、そういったポイントを見つけやすい母と子の森がおすすめの観察エリアです。
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 母と子の森への入り口となる西休憩所の近くには、キノコの役割を学べるポイントがあります。
 いまはちょうど遠足シーズンということで、御苑は連日おそろい帽子のお子さまたちがやって来ます。「木がたおれてるよ!」小さな探検隊のみなさんは木が倒れたままになっているのが不思議な様子。
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 こちらは数年前の大雪で倒木したサクラの木です。倒れた木の根本に近づいてみると…
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 こんな解説看板が立っています。
 自然界は、植物が酸素や土壌等を生産する生産者、動物がそれらを利用したり植物を食べる消費者、という役割を持ち、お互いに命のサイクルでつながっていますね。
 キノコ・菌類は分解者や還元者とも呼ばれ、死んだ動物や植物を分解して自然に返すという大切な役割を持っています。
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 あえなく倒れてしまったサクラの木ですが、うろの中や幹にはサルノコシカケの仲間やカワラタケなどのキノコが、役目を果たそうと姿を見せていました。
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 倒れた木をおおうキノコを見てビックリされる方もいらっしゃるかもしれませんが、キノコや菌類が役目を終えた生物を分解して土にかえしてゆくことで、植物がまた芽を出す土壌がはぐくまれます。
 秋めく園内でキノコ観察を楽しんでみませんか?
 
※新宿御苑では動植物の採取を禁止しています。みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。

2017年9月13日 12:00

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