新宿区エコリーダー養成講座に協力しました

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 (一財)国民公園協会では、各種団体とのパートナーシップを進めています。今日はその一環として、新宿区エコリーダー養成講座への事業協力を行いました。
 新宿区エコリーダー養成講座とは、環境都市・新宿の実現に向けて、地域の環境活動におけるリーダーとなる人材養成をめざした、講義、体験、ワークショップによる連続講座です。
 2004年からスタートし、11年間に166人が修了し、受講者はエコギャラリー新宿の各事業サポーター、公園サポーター、地域の清掃・緑化活動リーダー、環境教育の講師など、地域の様々な現場で活躍しています。
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 今回、エコリーダー養成講座に参加された方は18名。インフォメーションセンターに集合し、新宿御苑の歴史や自然、季節のみどころ、環境への取り組みなどをご紹介したあと、開催中の「新宿御苑菊花壇展」を鑑賞しました。
 
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 まずは国民公園協会新宿御苑 広報企画担当職員が新宿御苑の歴史を紹介しました。
 新宿御苑は、徳川家康の家臣・内藤氏の江戸屋敷の一部がそのルーツといわれています。
 江戸東京野菜の内藤とうがらし、内藤かぼちゃは、江戸時代に内藤家の菜園で栽培がはじまった歴史があります。
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 明治5年(1872)、大蔵省が高遠藩主内藤家の屋敷地跡に「内藤新宿試験場」を開設しました。
 新しい国づくりのためには農業の近代化が重要であると、大蔵大臣の大久保利通がリーダーとなり、外国産の野菜や果物、樹木、花卉の収集・栽培や、養蚕、牧畜など近代農業の研究、指導者の育成が幅広く行われました。
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 その後、内藤新宿試験場は、農学校、皇室御料地、皇室庭園へと発展してゆきますが、このときに主導的な役割を担ったのが福羽逸人でした。
 講演では、当時の写真や新聞記事などの歴史資料を紐解きながら、新宿御苑の歴史と福羽逸人の歩みを振り返りました。
 
 福羽逸人は安政3年(1856)に石見国(現在の島根県津和野)に生まれ、明治5年(1872)、16歳の時に内藤新宿試験場の実習生となりました。その後、明治11年からの農事修学場の勤務を経て、明治31年には新宿御苑の総責任者にまでのぼりつめました。
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 福羽が御苑で手がけた事業のなかで、代表的なもののひとつが日本初の国産イチゴ「福羽イチゴ」の作出です。ふつうイチゴを半分に切ると中は白色ですが、福羽イチゴは中が真っ赤。実もやや面長な形をしているのが特徴です。「とちおとめ」や「あまおう」など、現在、日本で食べられている多くのイチゴ品種も親元をたどってゆくと福羽イチゴにつながります。
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 福羽はヨーロッパへの留学経験を通し、自国にも宮中における用途を充たし、民間の規範となる皇室園芸場が必要だと考え、新宿御苑を日本初の皇室庭園へと改造することを決意します。
 明治39年(1906)に皇室庭園「新宿御苑」が完成し、パレスガーデンとして国際親善の役割を担いました。
(写真:皇室行事「観菊会」は、明治11年に赤坂御所で始まり、昭和4年より新宿御苑で開催されました。)
 
 このほか、無加温室でのブドウやメロン栽培や、明治33年(1900)のパリ万博への菊の大作りの出品のほか、明治12年の「神戸オリーブ園」と、翌13年の「播州葡萄園」の開設、兵庫県の武庫離宮(現在の須磨離宮公園)の造営なども手掛け、など、御苑の発展に貢献したばかりでなく、日本の近代農業発展にも数多くの功績を残しました。
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 戦後昭和24年(1949)、新宿御苑は厚生省所管の国民公園として一般公開され、翌年の昭和25年に菊花壇展、昭和26年に首相主催の桜を見る会、温室の公開が始まりました。
 平成18年(2006)に新宿御苑は開園100周年をむかえ、現在では日本の大都市・東京を代表する庭園として、国内外のみなさまに親しまれています。
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 続いて「新宿御苑の一年と都市における役割~庭園の自然とともにふりかえる~」をテーマに、自然や季節のみどころ、環境への取り組みをご紹介しました。
(写真:新宿御苑の生物相について解説)
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(写真:園内でみられるおもな絶滅危惧植物)
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(写真:新宿御苑洋らん展)
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(写真:園内発生材を使った堆肥作りとリサイクルの取り組み)
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 新宿御苑のレストランゆりのき、カフェはなのきでは、エコクッキングを通じて環境保全に取り組むとともに、御苑ゆかりの内藤とうがらし、内藤かぼちゃなどの江戸東京野菜や御苑ゆかりの野菜や果物のほか、東京産の食材を使った地産地消メニュー提供しています。
(写真:園内レストランでのエコクッキングと地産地消の取り組み)
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 続いて後半の部では、開催中の新宿御苑の秋の伝統行事「新宿御苑菊花壇展」を鑑賞するため、日本庭園に向かいました。
 菊の栽培に携わる専門職員が講師を務め、菊花壇展の歴史や魅力、栽培の取り組みについてご紹介しました。
(写真:一文字・江戸菊花壇)
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 新宿御苑では毎年11月1日から15日の会期で、菊花壇展を開催してます。
 新宿御苑の菊花壇展は、明治11年(1878)から昭和11年(1936)まで行われていた皇室行事・観菊会をルーツとしており、現在も皇室伝統の展示手法を受け継いでいます。
 展示会場となる日本庭園を回遊しながら、まわりの景観と菊花壇が調和して楽しめるよう、展示方法や配置にも工夫が凝らされています。
(写真:懸崖作り花壇)
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 また、御苑では古典菊の保護・育成にも取り組んでいます。御苑では江戸菊、伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊、肥後菊など、日本各地で発達した古典菊と呼ばれる系統種を多数保有しており、毎年、人工交配による実生栽培・選抜を行い、新たな優秀品種を作出して、宮内省時代から受け継ぐ各系統種の保存・育種を行っています。
(写真:江戸菊花壇)
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 明治33年(1900)のパリ万博において、御苑の総指揮者だった福羽逸人が菊の大作り3鉢を展示し、高い評価を得て以来、じつに114年ぶりにフランスの地に菊の大作りが展示され、時代を超えて多くの人々に驚きや感動をもたらしました。
(写真:大作り花壇)
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 新宿御苑では、これからもさまざまな交流を通して、新宿御苑の植物や自然、庭園をよりよく未来へ繋いでいけるよう取り組んでまいります。
(写真:大菊花壇前での解説)

2016年11月 3日 17:00

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