冬空に灯るユリノキのキャンドル♪

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 ミルクティー色の芝生に、冬木立がたたずむイギリス風景式庭園。四季のある日本では、多くの樹木が夏の緑、秋の紅葉と季節を巡りながら装いを変えてゆきますね。季節それぞれに魅力がありますが、ひときわ木の存在感が高まるのが冬ではないでしょうか。すっきりと葉を落とした木々のゆったりとした枝ぶりが際立ち、地上には大きな影を描きます。y01.JPG

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 イギリス風景式庭園のほぼ中央で堂々と育っているのが、新宿御苑のシンボルツリーとしても親しまれるユリノキです。落葉樹のため冬には葉を落としますが、大木を見上げてみると、枝先におもしろいものがたくさん付いていることに気が付きます。

 遠目には枝先に灯るキャンドルのようにも見えますが、これはいったい何でしょうか?
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 正解は「果実(集合果)」です。まるで花のようにも見えますが、軸を中心に小さな果実が花びらのように寄り集まって、集合果を作ります。ユリノキは花がチューリップに似ることから、別名チューリップツリーとも呼ばれますが、冬の茶色い果実もまさにチューリップのような形をしていますね。
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 ユリノキの果実は「翼果」とも呼ばれていて、はがれ落ちた果実1枚1枚にプロペラのような翼があり、根元には種がくっ付いています。プロペラ部分が翼の役割を持ち、風に乗って種が遠くまで飛んでゆく仕組みになっています。
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 新宿御苑のユリノキは、御苑が農事試験場だった明治20~30年代に、日本ではじめて植えられたものといわれています。明治40年には街路樹育成用として、園内のユリノキの種子が東京市に払い下げられ、赤坂迎賓館や外堀通りの紀伊国坂をはじめ、各地の街路樹のユリノキの母樹となった歴史があります。
 四季折々に街並みを彩る街路樹も、はじまりはこのほんの小さな種ひとつだったと思うと、植物が持つエネルギーや、生きものの不思議さが身近に感じられますね。
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 冬ならではのユリノキの魅力をぜひお楽しみください。

2016年1月20日 12:00

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