いきものの不思議&ミニ知識  その1「ツバキとサザンカの見分け方」

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 18日夜から19日の低気圧の影響で、新宿御苑も今年初めて雪化粧され、幻想的な景色が広がっています。今日は、晴天により雪に太陽の日差しが当たり、イギリス風景式庭園など園内各所でキラキラと輝く景色をお楽しみいただけます。朝から多くのお客様がご来園され、雪景色の御苑散策を楽しまれていらっしゃいました。

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 1月9日に「ツバキの咲く道」と題してツバキをご紹介しましたが、その後、お客さまから、「ツバキとサザンカはどう違うの?」、「ツバキの花はどうして首から落ちるの?」とのご質問が多く寄せられました。本日は「ツバキとサザンカの見分け方」をご紹介します。
 
 ツバキとサザンカはどちらもツバキ科ツバキ属で、原産が日本で、日本で発達して世界に広がり、その品種は6000種を超えると言われています。新宿御苑にもツバキが約40種、サザンカ数種類があります。
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(写真:サザンカ(平開、おしべが筒状でない))
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(写真:ツバキ(平開しない、おしべが筒状))  
 
 なお、果実にもサザンカは細毛があり、ツバキはありません。
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(写真:サザンカの子房(細毛有))
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(写真:ツバキの子房(細毛無)) 
 
 カンツバキは、ツバキとサザンカの交雑種で、花弁とおしべがわずかに合着しているのがツバキの特徴、花弁が一枚ずつ散る・子房や葉柄に毛があるのはサザンカの特徴で、一般にサザンカ系統と言われており、八重咲きの紅花で冬の代表的な花木です。最も寒い時期に鮮やかに咲くのが名前のいわれです。
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(写真:カンツバキ) 
 
 ツバキの花は「ポトリ」と落ちることから、「首が落ちる」のを連想させるとして嫌う風習もありますが、本来「冬枯れしない艶やかな常緑樹」で、実生でも挿し木でも殖やすことができ、生活にも大いに役に立つと言われています。
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 ツバキの花は、どうして花のまま落ちる理由をご存知ですか?これは、ツバキの生き延びるための戦略なのです。
 
 ツバキの花粉を媒介するのは鳥です。(サザンカの花には虫を呼寄せる香りがあり虫媒花です。)鳥は赤い花が遠くからでも良く見えるので、ツバキには赤い花が多いのです。ツバキの筒状になったおしべの奥に蜜があり、その蜜を花の横(愕のあたり)から鳥に突っつかれては、蜜は吸われ交配ができなくなるため、その戦略としてツバキ花の横、鱗片、愕を厚くし、おしべも固めて花弁と一体として鳥に突かれないようにガードしたために、花弁とおしべは離れず、花のまま落ちるのです。しかも、枝についている花は、ほとんど下向きか横向きに咲いていますが、花弁・おしべの基の方が厚くできており重いので、ほとんど上向きで落花します。
 
 冬の御苑を彩るツバキの花は4月頃まで(サザンカの開花は10~12月頃)お楽しみ頂けます。
 

2016年1月19日 14:39

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