恐竜も食べてた?イチョウのギンナン

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 母と子の森や散策路などでイチョウの実(ギンナン/銀杏)が熟しています。ギンナンといえば秋の味覚として、茶碗蒸しや炊き込みご飯、かき揚げなどの材料に使われますね。今年は全国的にもイチョウの生り年のようで、ここ散策路でもイチョウの木(雌株)の下いっぱいにギンナンが落ちています。
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 イチョウというと秋の鮮やかな黄葉が人気の木。御苑のイチョウが母樹となった神宮外苑のイチョウ並木(※)をはじめ、お寺や神社、庭園など全国各地に紅葉の名所が知られています。
 
(※)新宮外苑のイチョウ並木は、新宿御苑のイチョウが母樹です。明治42年(1908)に新宿御苑で採取したギンナンを、現在の明治神宮内の苗圃で育て、そのなかから選抜した木を大正12年(1923)に神宮外苑のイチョウ並木に植えたといわれています。
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 東京、神奈川、大阪の都道府県の木にも選ばれ、身近な木として親しまれるイチョウですが、じつは日本でも特に古い歴史を持つ木というのはご存知でしょうか?
 イチョウは中国原産の落葉高木ですが、木そのものの起源はなんと1億5千万年以上前、恐竜が生きていた中生代・ジュラ紀にまでさかのぼります。この時代にはたくさんのイチョウの仲間が分布していましたが、その後の氷河期には、中国で自生する1種類のみを残して絶滅してしまったとされています。この氷河期を生き抜いたイチョウが、古い時代に日本へ渡来したといわれています。
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 イチョウのギンナンには、チーズなどの発酵食品を思わせる強い匂いがありますね。一説によると、ギンナンの匂いは草食恐竜に実を食べてもらうための工夫だっとも。現代において、恐竜の子孫といわれる鳥たちが木の実を食べ、フンとともに種を遠くへ運ぶように、太古の時代には草食恐竜がイチョウの実を食べて、種をあちこちに広げたのではと考えられているそうです。
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 恐竜の絶滅とともに、イチョウは種の運び手となるパートナーをいったんは失ってしまいましたが、その後、恐竜にかわって私たち人とのかかわりが生まれました。イチョウのギンナンが食用にされたほか、木材としての利用や、大気汚染や火に強い性質から街路樹としても活用され、人々の暮らしとともに全国各地へと広まってゆきました。
 2007年の国土交通省の調査によると、日本の街路樹でもっとも多かったのがイチョウの約57万本で、2位のサクラ類(約49万本)、3位のケヤキ(約48万本)を大きく引き離して、堂々の第1位となったそうです。
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 街路樹にはギンナンがならない雄株が植えられることがほとんどですが、新宿御苑には雌株と雄株どちらも植栽しているため、毎年、秋になるとたくさんのギンナンがみのります。ギンナンの独特な匂いも、かつて恐竜が嗅いでいたのかも?と思うと、身近な木であるイチョウを通して、地球の長い歴史の1ページにふれたように感じられますね。
 
 先日8日は寒露でした。稲刈りが終わり、菊花が咲きはじめ、山の木々が紅葉の準備に入る頃とされています。
 秋もいよいよ本番。みのりの秋ともいいますが、新宿御苑でも木の実の代表といえるドングリをはじめ、ウメモドキハナミズキイイギリカンレンボクなど、さまざまな木の実が熟しています。秋めく新宿御苑で木の実の観察をお楽しみください。
 
■散策路のご利用について
散策路は新宿御苑の北側(無料区域)にある、新宿門から大木戸門をつなぐ約700メートルの遊歩道です。四季折々の自然と身近にふれあえる、やすらぎの空間として親しまれています。
【利用時間】
 9:00~16:30
【休園日】
 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
 特別開園期間(3月25日~4月24日、11月1日~11月15日)は月曜日も休まず開園致します。
 
※イチョウの実(ぎんなん)は素手でさわると、かぶれる場合がありますのでご注意ください。
※新宿御苑では動植物の採取、持ち込みはご遠慮いただいています。みなさまのご理解ご協力をよろしくお願い致します。

2015年10月10日 12:42

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