食育講座「新宿御苑STUDY&CAFE」を開催しました

カテゴリ:

 本日、NPO法人江戸東京野菜コンシェルジュ協会と国民公園協会新宿御苑の主催による食育講座「新宿御苑STUDY&CAFE」を新宿御苑で開催しました。江戸東京野菜をめぐるさまざまな動きをお伝えする講座です。(前回の様子はこちら
 講座では、新宿御苑における農園芸の歴史について分かりやすく解説するとともに、レストランゆりのきで皇室庭園時代の宮中晩餐会の夏メニューを、江戸東京野菜や新宿御苑ゆかりの食材をもちいてご紹介しました。
y01.JPG
 まず「内藤新宿試験場と福羽逸人(ふくばはやと)~現代に受け継がれる知られざる新宿御苑の歴史~」をテーマとして、国民公園協会新宿御苑 広報企画担当の本荘暁子が、御苑の歴史を紹介しました。
y02.JPG
 新宿御苑のルーツとなった高遠藩主内藤家の屋敷地跡に、近代農業の技術改良と試験栽培を総合的に行う「内藤新宿試験場」が誕生したのは明治5年(1872)のこと。西欧から近代農業技術を取り入れ、外国産の野菜や果物、樹木、花卉の収集・栽培や、養蚕、牧畜など近代農業の研究が幅広く行われていました。その後、内藤新宿試験場は、農学校、皇室御料地、皇室庭園へと発展してゆきますが、このときに主導的な役割を担ったのが福羽逸人でした。
y03.JPG
 福羽逸人は安政3年(1856)に島根県津和野に生まれ、明治10年(1877)に21歳で内藤新宿試験場の実習生となりました。その後、明治31年には新宿御苑の総責任者にまで上りつめ、日本初の国産イチゴ「福羽イチゴ」の作出や、明治33年のパリ万博への菊の大作りの出品、新宿御苑の庭園としての大改造など、数多くの功績を残しました。
 
 また、福羽逸人は御苑の発展に貢献したばかりでなく、日本の近代農業発展にも大きな影響を与えました。福羽逸人が手がけた事業には、明治12年の「神戸オリーブ園」と、翌13年の「播州葡萄園」の開設があります。福羽逸人は両園の園長を務め、神戸オリーブ園ではオリーブ栽培と搾油、播州葡萄園ではブドウ栽培とワイン醸造が行われました。
y04.JPG
 残念ながらその後、廃園し、人々の記憶からも忘れられてしまいましたが、近年の史跡の発見をきっかけに、地域の歴史と近代日本の産業発展を伝える貴重な資料として、現在も歴史の解明と研究が進められています。(関連記事>>新宿御苑ゆかりの「神戸オリーブ園」
y05a.JPG
 福羽逸人は新宿御苑の総責任者を務めたあと、大正3年(1914)、58歳で大膳頭(だいぜんのかみ)に任命され、大正天皇の即位礼「大饗」の統括指揮を任されました。
y06.JPG
 講座後半では、宮中晩餐会で供されたメニューをもとにアレンジを加えた、江戸東京野菜と御苑ゆかりの食材をふんだんに使用した夏らしい涼しげなメニューが登場しました。
y08.JPG
 江戸東京野菜の内藤とうがらし、内藤かぼちゃをはじめ、寺島なす、高井戸半白きゅうり、滝野川ごぼう、早稲田ミョウガタケ、谷中ショウガのほか、御苑ゆかりの西洋野菜のオリーブやトマト、レタスなどを使用しています。飲みものは早稲田ミョウガタケを使ったサワードリンクです。
y09.JPG
 試食会の合間には、国民公園協会の伊藤料理長からメニューや食材、調理のポイントなどの解説が行われました。質疑応答では、参加者の方から江戸東京野菜に込めた思いについての質問も寄せられました。
y07.JPG
 江戸東京野菜の魅力は、自然で野菜そのものが本来持っている味わいを楽しめること。伊藤料理長は、食材ひとつひとつがもつ魅力をさらに引き出し、食べ方の幅を広げるとともに、江戸東京野菜をもっと多くの方に知ってもらえたら、と話しました。
 (写真:高井戸半白きゅうり)
y10.JPG
 レストランゆりのき、カフェはなのきでは普段より江戸東京野菜や御苑ゆかりの野菜、果物を使ったメニューを提供しています。新宿御苑にご来園の際は、ぜひお楽しみください。
 
【ご利用案内】
 ■レストランゆりのき(園内/新宿門より徒歩3分)
 ■カフェはなのき(インフォメーションセンター/園外の無料区域)
 利用時間/9:00~16:00(ラストオーダー)
 定休日/新宿御苑休園日

2015年6月27日 15:34

2019年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30