第1回『新宿御苑で学ぼう!江戸東京野菜講座』を開催しました

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 本日、NPO江戸東京野菜コンシェルジュ協会と国民公園協会新宿御苑の主催で、第一回『新宿御苑で学ぼう!江戸東京野菜講座』を開催しました。新宿ゆかりの内藤とうがらしをはじめ、東京には江戸時代から伝わる伝統野菜が40品目(平成26年9月時点)あります。講座では、江戸東京野菜ともかかわりの深い新宿御苑を会場に、江戸東京野菜をめぐるさまざまな話題を伝えます。

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 江戸東京野菜の特徴は、季節限定で“旬”があること、そして自家受粉で種を採ることのできる固定種であることです。江戸時代から昭和初期の長きにわたって人々の食生活を支え、ゆたかな食文化をはぐくんできました。昭和以降の農地の減少にともない、いったんは姿を消してしまいましたが、地産地消が推進される中、いま東京のブランド野菜として注目を集めています。
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 本講座開演の前に、国民公園協会の本荘が、新宿御苑の歴史やみどころについて、園内を散策しながらご紹介しました。新宿御苑は、内藤家の下屋敷だった江戸時代に、江戸東京野菜の「内藤とうがらし」が栽培され、明治5年(1871)には内藤新宿試験場となり日本の農業発展を担ってきた歴史があります。その後、宮内庁所管の新宿植物御苑となり、明治39年には日本初の皇室庭園である新宿御苑が誕生しました。
 明治29年(1896)に創設され、皇族のクラブハウスとして利用された「旧洋館御休所」、宮中の御料野菜や果樹の栽培が行われていた「温室」など、御苑の歴史的なスポットをめぐりました。
 (写真:フランス式整形庭園奥に位置する正門)
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 本講座では、まずはじめに、NPO江戸東京野菜コンシェルジュ協会会長の大竹道茂氏より、「江戸東京野菜には物語がある」をテーマに講演が行われました。
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 東京で野菜というと意外に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、江戸時代の東京は野菜の一大産地でした。そのはじまりは食を通じて人々のくらしと健康を守るためでした。
 江戸幕府が置かれ日本の中心部となった江戸の町は、やがて人口100万人ともいわれる世界有数の大都市へと発展を遂げ、たくさんの食料を必要としました。
 江戸の中頃、精米された白米を食べる習慣が広まると、栄養の偏りによる脚気が人々の間で大流行しました。地方に暮らす人々も、参勤交代により江戸で生活をするとこの病にかかることから、江戸の風土病=江戸患い(えどわずらい)とも呼ばれていました。
 人々の健康を守るため、江戸幕府が積極的に野菜を食べるよう推奨すると、大名はふるさとの野菜の種と農民を江戸へ連れてきて栽培を行いました。これにより全国各地の野菜の種が東京に集まり、江戸東京野菜の発展へとつながりました。
 その後、江戸各地で野菜の栽培がさかんに行われると「内藤とうがらし」「練馬大根」「早稲田ミョウガ」「奥多摩わさび」というように、野菜がよく育ったそれぞれの土地の名前がつけられました。
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 (写真:野菜市場で販売している内藤とうがらし)
 
 江戸東京野菜の魅力は、形のおもしろさや市場にはほとんど出回っていないめずらしさはもちろんこと、野菜ひとつひとつに込められた歴史的エピソードにあります。
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 たとえば、御苑ゆかりの内藤とうがらしは、御苑が高遠藩主・内藤家の下屋敷だった江戸時代に、敷地内で栽培がはじまりました。おそばに添える薬味として人気が高まると、やがては新宿一帯で栽培されるようになり、最盛期にはあたり一面が真っ赤に染まるほど、広く栽培されるようになりました。
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 また、こちらの練馬大根は、五代将軍・徳川綱吉が脚気を患った際に、尾張から大根の種を取り寄せて、練馬の百姓に栽培させたことがはじまりとされています。大根は土壌、気候風土によく合い、最大1メートルにもなるほどよく育ったそうです。冷蔵庫のない時代だったので、長期保存できるたくあん漬けにして販売したところ、大変な評判となったそうです。
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 江戸東京野菜は、こうした地域の歴史とともに生まれた地元ならではの食材。「食べる」だけでなく、江戸の人々のかつての食文化にふれる「食育」教材としても活用の輪が広がっています。
 都内各地の小中学校では、学習の一環として「地元の江戸東京野菜の栽培」の取り組みも行われています。子どもたちは「自分たちで栽培し、種を採る」を目標に、種を通じた命のつながりや、栽培することで自分達の地域の歴史を学んでいます。
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 続いて、NPO江戸東京野菜コンシェルジュ協会理事で野菜ソムリエの上原恭子氏より、「食材としての江戸東京野菜」をテーマに、レシピの紹介と試食会が行われました。
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 今回ご紹介するのは八王子産の絹さやえんどう「川口エンドウ」。川口エンドウの切りごま和え、川口エンドウとしらたきの明太子煮、川口エンドウの生ハム巻きと、調理方法の異なる3つのメニューで試食しました。また、シンプルにゆで上げた日本キヌサヤ、赤花エンドウとの食べ比べも行われました。
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 参加者の方からは「シャキシャキした食感が、いまのやわらかい絹さやとは違いますね」「肉と一緒に食べても脇役になりすぎないですね」といった感想が寄せられました。
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 最近は江戸東京野菜や東京産の野菜を積極的に取り入れたレストランも増えてきているとのこと。東京でしか味わえない旬の味をどんどん楽しんでいただきたいとおっしゃっていました。江戸東京野菜はまだまだ新しい種類の発見が続いているそうなので、今後さらに多くの江戸東京野菜を味わえる日が来るかもしれません。
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 (写真:おみやげの川口エンドウ)
 
 新宿御苑でも、レストランゆりのき、カフェはなのきにて、江戸東京野菜と東京産野菜を使用した地産地消メニューをご紹介しております。ご来園の際には、ぜひ東京ならではの味わいをお楽しみください。
 くわしくはこちら>>レストランゆりのきカフェはなのき

2015年5月23日 16:31

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