第11回植物園シンポジウムに参加しました

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 12月14日に日比谷図書文化館大ホールにて『第11回植物園シンポジウム-ふるさとの植物をまもろう「江戸時代の園芸植物を未来につなぐ」』が開催され、新宿御苑管理事務所および国民公園協会新宿御苑の職員が参加しました。
 まずはじめに、NHK趣味の園芸講師・雑花園文庫主人の小笠原左衛門尉亮軒さんより「外国人も絶賛!江戸に咲いた園芸植物たち」をテーマに講演会が行われました。
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 日本の歴史において、園芸文化が大きく花開いた時代とされる江戸時代。そのきっかけは徳川三代将軍が花を好んだことから始まったといわれています。いまから約150年前に来日した、イギリスの植物学者ロバート・フォーチュンは、庭園のように美しい江戸の町や、庶民から大名までだれもが花好きであることに驚嘆したそうです。
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 講演会では、浮世絵や書籍などの江戸時代の貴重な資料をまじえながら、サクラをはじめ、ウメやツバキ、ツツジ、アサガオ、キク、斑入り植物など、江戸時代に発展した華やかな園芸植物をご紹介いただきました。
 (写真:『櫻譜(じゃくふ)』文久元年序/桜252品に品種名を添えた着彩図譜)
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 新宿御苑を代表する花のひとつ・キク。江戸時代には「江戸菊合」という品評会が全国各地で開催されるほど大変な人気を博し、子供から大人まで身分の区別もなく、花を愛でていたそうです。明治時代には皇室の紋章となり、現在も日本国パスポートに花の紋様が入るなど、サクラとともに日本の国花として親しまれています。
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 続いて「江戸時代の園芸植物を未来につなぐ植物園」をテーマに事例紹介が行われました。新宿御苑からは、環境省新宿御苑管理事務所 山田光一温室科長(菊科併任)が講師を務め、新宿御苑の秋の伝統行事「皇室ゆかりの菊花壇と古典菊」についてご紹介しました。
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 新宿御苑では毎年11月1日から15日までのあいだ、菊花壇展を開催してます。これは宮内省により明治11年(1878)から昭和11年(1936)まで行われていた皇室行事・観菊会の展示手法を引き継ぐものです。展示会場となる日本庭園を回遊しながら、まわりの景観と菊花壇が調和して楽しめるよう、展示方法や配置にも工夫が凝らされています。
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 また、新宿御苑では古典菊の保護・育成にも取り組んでいます。御苑では江戸菊、伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊、肥後菊など、日本各地で発達した古典菊と呼ばれる系統種を多数保有しており、毎年、人工交配による実生栽培・選抜を行い、新たな優秀品種を作出して、宮内省時代から受け継ぐ各系統種の保存・育種を行っています。
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 今年は新宿御苑の菊の大作りが、フランス・ベルサイユ宮殿でも展示されました。これは日仏文化交流事業におけるベルサイユ宮殿と新宿御苑との庭園管理技術交流の一環として、2012年3月より計画されたものです。本年2014年の展示に向けて、展示用の大作りの栽培や菊の栽培担当者による技術指導等が行われてきました。
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 (写真:ベルサイユ宮殿美術館のペガール総裁によるセレモニーでのテープカット)
 10月31日には菊展示のオープニングセレモニーが開催され、新宿御苑菊花壇展と同時に11月1日から11月15日に一般公開されました。
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 明治33年(1900)のパリ万博では、新宿御苑の総指揮者だった福羽逸人が菊の大作り3鉢を展示し、高い評価を得ました。以来、じつに114年ぶりにフランスの地に菊の大作りが展示され、時代を超えて多くの人々に驚きや感動をもたらしました。
 新宿御苑では、これからも国内外さまざまな交流を通して、新宿御苑の植物や自然、庭園をよりよく未来へ繋いでいけるよう取り組んでまいります。

2014年12月17日 13:52

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