2014年11月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近の記事

新宿御苑へようこそ

  • 無料カウンター

« 池に映る紅葉 | メイン | 園内のみどころ情報(11月29日) »

2013/11/28

『フランスの庭園技法と新宿御苑』講演会を開催

 本日、インフォメーションセンター2Fレクチャールームにて、日仏文化交流事業「フランスの庭園技法と新宿御苑」が開催されました。

 昨年の3月に、新宿御苑で東北復興支援事業を目的としたイベントが開催され、3年間、フランスのヴェルサイユ宮殿と新宿御苑で庭園管理の技術交流を行うことが決まりました。その一環として、ヴェルサイユ国営地専属の歴史的記念物主任建築家のピエール=アンドレ・ラブロード氏とヴェルサイユ国立高等造園学校の水真洋子氏をお招きし、ヴェルサイユ宮殿の復元方法や福羽逸人とアンリ・マルチネをご紹介する講演会が行われました。

00

 歴史的記念物主任建築家ピエール=アンドレ・ラブロード氏とは、建築家としてモンサンミッシェルの大修道院をはじめ、多く歴史的建造物の復元工事を手掛けてきました。1990年以降は、ヴェルサイユ国営地専属の歴史的記念物主任建築家として就任し、ヴェルサイユ庭園のオランジュリーなどの改修工事を担当しました。近年では、ヴェルサイユ庭園の花壇を17世紀当時のオリジナルの姿に修築し、世界的に大きな反響を呼んでいます。国内外では、ユネスコのアンコールワット遺跡修復事業にフランス代表団として参加し、国際的に高く評価されています。

01

 講演会では、まず新宿御苑管理事務所所長から、今回、新宿御苑のルーツを探るために講演会を開いたと挨拶がありました。これを機会に、今後御苑のあり方について検証を進めていきたいとのお話でした。

02

 続いて、ピエール=アンドレ・ラブロード氏は、講演の前置きに、まず庭園をより深く理解するためには、それが歴史的かつ文化的な流れの中で作られたのかを知ることが重要であるとの紹介がありました。そういった意図のもとにヴェルサイユ宮殿の復元は行われたとして、宮殿の歴史について説明を続けました。

03

 ルイ14世はヴェルサイユ宮殿とともにパリの街全体の大改造を行いました。宮殿は元々、ルイ13世が狩りを楽しむための別荘として創設したもので、当初250㏊の敷地は庭園改造を担った17世紀を代表する庭園建築士ル・ノートルによって、6000㏊もの庭園に大改造されたそうです。

 100年を超える時代の変遷の中で、ル・ノートルが造成したオリジナルの庭園の姿が様変わりしたため、20年前からヴェルサイユ宮殿の復元プロジェクトがスタートしました。

 復元作業においては、創設当時の庭園を描いた絵画や版画、あるいは設計図などの資料を参考に修復を始めたそうです。

 講演中は、モニターには庭園の写真や、図など昔の貴重な資料が映し出され、参加者の皆さんは熱心に話を聞いていらっしゃいました。

04

 続いて、新宿御苑を設計したフランスの造園家、アンリ・マルチネ氏の母校のヴェルサイユ国立高等造園学校においてランドスケープの勉強をしている水真洋子氏から、「アンドレの庭技法」と題して、福羽逸人とアンリ・マルチネについて紹介がありました。

05

 新宿御苑の庭園設計が、当時のフランスの庭園技法に忠実にもとづいていたものであることを、園路やビスタラインなどの設計の観点から具体例を交えて説明いただきました。

06

 最後に、ピエール=アンドレ・ラブロード氏から、庭園はグリーンスペースではなく、前世代から引き継いできた文化遺産、芸術作品であること、またその庭園の自然と文化的価値を広く知ってもらうことが、庭園復元事業の目的であるとのお話がありました。

 1906年に皇室庭園として誕生した新宿御苑は、まさに日本とフランスが初めて行った共同プロジェクトであり、当初から日仏混合の様式を確立したものであるといえます。今後は、2つの国の文化をより良い形で表現してゆく方法を検討したいと締めくくりました。