最新情報:京都御苑の見どころ

京都御苑の見どころ 2019年1月10日 10:58

新春花ごよみ

20190109I 10.JPG
20190108I 78.JPG
・ウメ
 早咲きのウメがご覧頂けます。烏丸通に面する出水口を入り、まっすぐ進ん
 だ右手側(出水の小川北)で紅梅が12月半ばに開花し、現在では7分咲きに
 なりました。毎年苑内で一番最初に咲き始めるウメです。
 白梅は、宗像神社北で5分咲き、堺町休憩所北では咲き始めです。
 (写真上:出水の小川北の紅梅、下:宗像神社北の白梅)
20190108I 52.JPG
20190108I 5.JPG
・ソシンロウバイ、ロウバイ
 上記の紅梅すぐ横の小径を南に進んでいくと、道沿いに低木が5本並んでい
 るのが見えてきます。これがソシンロウバイで、黄色い蝋細工のような花を
 咲かせ始め、現在5分咲きです。さらに南下した出水の小川駒札側では3分咲
 き、宗像神社北では7分咲き程になりました。葉がまだ多く残る木では花が
 目立ちませんが、甘く漂う香りで気がつくかもしれません。
 ソシンロウバイに遅れて御苑北西部、児童公園北でロウバイが咲き始めまし
 た。両種の主な違いは、ソシンロウ バイは花びら、 花芯ともに黄色である
 のに対し、ロウバイは開いた花の中がほんのり赤紫に色づいています。
 まだ蕾が多く、 見ごろまでにはもうしばらくかかりそうです。
 (写真上:ソシンロウバイ、下:ロウバイ)

20190108I 102.JPG
・サザンカ(西園寺邸跡、閑院宮邸跡庭、堺町休憩所周辺、仙洞御所東、
 他苑内各所)
20190108I 95.JPG
・スイセン(閑院宮邸跡庭) 遣水の西で見ごろです。
・ジュウガツザクラ(出水の小川東、宗像神社北)

 

 



 

 

 


 

 

京都御苑の見どころ 2018年12月19日 10:22

松のもみあげと剪定  -年末を迎えて-

20181214u6.jpg
師走の京都御苑の風物詩、マツのもみあげと剪定をこのほど行いました。
毎年、この時期になるとマツのお正月支度が始まります。下枝まで日光が届くように古い葉を取り除き、樹木が成長すると庭の雰囲気に合わなくなってしまうため、混み過ぎた枝、枯れ枝や上方に伸びたり下方に垂れたりする枝を処理し樹形を整えます。この剪定には、『御所透かし』という技法があり、その技法に倣い、手入れ前後で著しい変化を見せないように樹木本来の形に仕立てます。
閑院宮邸跡の東門を入ったマツの植え込みは、アカマツとクロマツです。アカマツの葉は柔らかく古葉は落ちますが、クロマツの葉はチクチクと痛く簡単に落とせないので作業には時間がかかり、樹形に関係するため細心の注意を払っています。
九條池のほとり、拾翠亭の庭にもクロマツの植栽があり、高倉橋と拾翠亭側の双方から美しく見えるよう調整しつつ手入れを行いました。
こうして、今年も新年を迎える準備が整いましたが、晩夏の例年にない台風が御苑の景色を一変させました。大木が根こそぎ倒れたり、折れ枝や掛り枝があちこちで見受けられたり、このような経験は初めてのことと思われます。ご来苑の方々にご心配、ご迷惑をおかけました。しかし、危険度・利用度などを判別し、また、時代祭など催事にあわせ関連区域周辺や来苑者の目線にふれる区域の整備に重点をおくなど期日や区域を設定し景観を整えてまいりました。
皆様方が楽しみにされている梅林、桃林、サクラ等のダメージ、アオバズクの営巣環境の変化など気がかりはありますが、今後もさらに整備を進めてまいりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

京都御苑の見どころ 2018年12月11日 15:35

12月花ごよみ

20181205I 56.JPG20181205I 63.JPG
・サザンカ(閑院宮邸跡庭、西園寺邸跡他苑内各所)
 紅葉のシーズンが終わりを告げると、苑内は冬の景色へと変わっていきま
 す。
 現在の見ごろはサザンカです。苑内各所で開花中ですが、西園寺邸跡には多
 数植栽され溢れんばかりに咲き誇っています。多くの紅花の中で、一本だけ
 ある八重咲きの白花は互いの美しさをさらに引き立たせています。
P1320789.JPGP1320890.JPG
・ヤツデ(清和院御門南東、寺町御門北東、閑院宮邸跡庭他)
   大きな切れ込みと艶のある葉が特徴で、手のような大きな葉が人を招くとい
   う「千客万来」の縁起を担いで昔から玄関先等に植えられています。
   開花は11月~12月の数少ない冬の花です。形はユニークで、小さな白い花
   が多数集まって球形になり、その球形の花の集まりは円錐状についていま
   す。小さな花を良く見ると細く伸びた雄しべが線香花火のようで、かわいら
   しい姿をしています。やがて花弁と雄しべが落ち、実ができます。
20181205I 50.JPG
・ジュウガツザクラ(出水の小川東、宗像神社北)
P1320804.JPG
・ツワブキ(迎賓館南東)

京都御苑の見どころ 2018年11月24日 17:22

紅葉だより

20181123I 81.JPG
 11月も下旬になって、日に日に冷え込みが増してきました。それに伴いモミジが色づくペースにアクセルがかかってきたようです。場所により状況は異なりますが、平均すれば8割程の色づきでしょうか。
 現在のお勧めは、出水口からまっすぐ東に入り仙洞御所表門に突き当たる手前、苑路を挟み南北に向かい合うようにあるモミジです。(凝華洞跡南東付近)
20181123I 123.JPG
 南側のモミジは近づいて見ると、黄味がかった明るい紅色に色づいています。
20181123I 116.JPG
 一方北側は若く青い部分も若干残しつつ、紅葉部分は落ち着いた濃い紅色です。モミジによって色あいに個性を感じます。来苑の皆さんも南と北を行き来しては、雰囲気の異なる紅葉写真を撮っておられました。
20181123I 236.JPG
 黄葉では、凝華洞跡のオオイチョウが見ごろを迎えています。上記のモミジから比較的近い(北西位置)ので、合わせてご覧下さい。
 前回ご紹介した一條邸跡のオオイチョウは若干葉が落ち、うっすらと落葉のじゅうたんができていますが見ごろです。学習院発祥の地(京都御所建春門東「桜松」の東)のイチョウも見事に色づきお勧めです。20181124I 50.JPG
 閑院宮邸跡庭のモミジも上部から紅い部分が増えてきました。この時季となると毎日色づき具合が変わり、それぞれが一期一会の景色です。床に映るモミジをご覧になりたい方は、こまめに足を運ばれる事をお勧めします。日々の変化を感じつつ、好みの色、見ごろを逃さずお楽しみください。



 


 

 

   

 

 

 

京都御苑の見どころ 2018年11月22日 09:00

土御門第跡

20181122is.jpg
現在の仙洞・大宮御所の北側は、平安時代中期に摂政太政大臣となった藤原道長の邸宅土御門第の跡です。
寺町通の東、廬山寺は紫式部の邸宅跡で、廬山寺の南の鴨沂高校の辺りには藤原道長が創建した広壮な規模を誇った法成寺という寺院もありました。
平安時代のこの辺りは、公家の屋敷や寺院が建つ優雅な土地柄だったようです。
今からちょうど1000年前の寛仁2(1018)年10月16日、道長の「御堂関白記」に和歌を詠んだ記載があります。その歌は藤原実資の日記「小右記」の同じ日に記されており、「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」の和歌が今に伝わっています。
道長は、摂政関白についた藤原兼家の五男でしたが、兄が相次いで亡くなると長兄道隆の子伊周と政権を争って政権を執り、藤原氏全盛時代を築きました。
望月の歌は、道長の三女威子が後一条天皇の中宮になった日、土御門邸での宴席で読まれました。長女彰子は一条天皇の中宮、次女妍子は三条天皇の中宮で3人の娘が妃となった道長にとって最良の日であったと思われます。
旧暦を新暦にすると11月にあたり23日はちょうど満月。1000年前に思いをはせて月を眺めてみませんか。

京都御苑の見どころ 2018年11月12日 16:58

色づく秋

20181110I 73.jpg
20181110I 95.jpg
 11月も半ばとなり、「御苑の紅葉の状況はどうですか?」というお問い合わせを頂く機会が増えてきました。現在は黄葉した木々が美しく、あちらこちらで目に留まります。
 蛤御門の東、清水谷家の椋が色づき見ごろです。東方向には遠く大文字山(如意ヶ岳)を望め、このアングルから写真を撮られる方も多くいらっしゃいます。1864年(元治元年)の禁門の変で、長州藩遊撃隊の総督だった木島又兵衛がこの木の近くで討死したとも伝えられています。
 乾御門東、一條邸跡のオオイチョウも色づいてきましたが、9月の台風で多くの枝が折れた影響で樹形が変わってしまいました。しかし幹が折れたり倒れずに済んだ事は、不幸中の幸いと言えるでしょう。
20181108 18.jpg
20181112I 17.jpg
 苑内に数多くあるエノキも黄葉のピークです。閑院宮邸跡庭園や車寄の南にある大木も、色づいた葉を毎日大量に風に散らしています。
 そして建物内、「床に映るモミジ」が楽しめる小部屋がありますが、モミジはまだ色づいていません。替わりに現在は、「床に映るエノキ」の黄葉を美しくご覧いただけます。紅葉とはまた違った黄葉の風情もお楽しみ下さい。
20181110I 149.jpg
 モミジの色づき具合は場所により異なりますが、部分的に紅葉し、緑から黄、紅色へと変化する美しいグラデーションを多くご覧頂けます。是非足繁くお越しになって、日々変化する風景をご堪能ください。


 

 

 

京都御苑の見どころ 2018年10月28日 14:42

明治維新150年記念 中山邸跡

20181024u 13.JPG
朝夕が少し冷えて季節の歩みが分かりやすい時季になりました。
京都御所の東北、猿ヶ辻の北側にある中山邸跡の黒い塀にクロガネモチの赤い実が映えています。
中山邸は、幕末期の公家、権大納言中山忠能の邸宅跡です。
嘉永5年9月22日(1852年11月3日)、孝明天皇の第2皇子として明治天皇(幼名:祐宮)が誕生しました。母は、権典侍中山慶子(中山忠能の娘)で、敷地には、その産屋が残っており、塀越しに見ることができます。
祐宮は中山邸で4年間養育されたと言われています。また、祐宮2才の夏干天で井戸が枯れたため新たに掘られた井戸はその名に因んで祐井と名づけられたといいます。
祐宮誕生の1852年に、オランダ商館長クルチウスが翌年のアメリカ使節の来航を幕府に伝えていましたが、1853年ペリーの浦賀来航が事実となりました。
明治天皇の誕生は、幕末の混乱期の始まりと重なり合うようです。
孝明天皇の急死により明治天皇は慶応3年(1867)16歳で践祚、同年12月の王政復古により新政府が樹立され、1868年に明治改元がなされました。明治2年(1869)に東京遷都。
明治10年(1877)孝明天皇十年式年祭のため京都に還幸されたおり、懐かしい御所周辺の変わり様を哀しまれ御所保存・旧観維持の御沙汰が下されました。京都御苑の現在に至る基礎が築かれていく始まりです。

京都御苑の見どころ 2018年10月26日 14:02

移りゆく季節

20181018I 30.JPG20181023I 31.JPG
 2年ぶりの開催となった時代祭が無事終了し、苑内は日常の空気に戻りました。台風21号がもたらした爪痕が所々に残りますが、御苑の秋も少しずつ深まっています。
 御苑南西部、出水の小川の東エリアではジュウガツザクラが咲き始めました。秋の空色に映える可憐な花は、春に咲くサクラとは違った趣があります。花期が長く、10月から3月頃まで断続的に咲き続けます。
 御苑北西部、児童公園休憩所北ではツワブキが見ごろです。花が少ないこの時季、昆虫が吸蜜のため集まって来ます。中でも常連のキチョウは黄色い花弁に溶け込み、ふと飛び立つ瞬間にしばしば驚かされます。
(写真上:出水の小川東のジュウガツザクラ、下:児童公園のツワブキ、吸蜜
 するキチョウ[左]とホバリングするホソヒラタアブ[右])
20181021I 50.JPG20181023I 24.JPG
 御苑北東部、中山邸跡のクロガネモチの実が赤く色づきました。樹高が10m以上ある高木です。名前の一部「ガネモチ」が「金持ち」に通じる事から、京都の旧家では金運向上の縁起の良い木としてよく庭に植えられています。
20181023I 44.JPG20181023I 42.JPG
 児童公園休憩所東では同じく縁起物として知られるセンリョウの実が一部、色づき始めました。未熟な実がまだ大半ですが、お子様の目の高さですので
遊びにいらした際にはご一緒に熟す様子を観察されてはいかがでしょうか。

20181023I 60.JPG
 紅葉も少しずつ始まっています。現在はサクラ類の葉が色づいてきました。
(写真:出水の小川エリア、御衣黄[緑色の花を咲かせるサトザクラの一種]
 の紅葉)

 秋晴れの心地よい日には是非、日々変化する季節を楽しみにご散策ください。


 

 


 


 

 

京都御苑の見どころ 2018年9月29日 15:38

明治維新150年記念 八月十八日の政変

堺町御門.JPG
京都御苑の南面中央に位置する堺町御門は、御苑の正門で5月の葵祭や10月の時代祭の行列がこの門から出立します。
文久3年8月18日、この門前で『8月18日の政変』と呼ばれる事件が起きました。

­=政変以前の政情=
200年余り鎖国を続けてきた江戸幕府は、1853年ペリーの浦賀来航により「日米和親条約」を結び、さらに1858年、天皇の許可を得ないままに「日米修好通商条約」を締結し、外国からの圧力に対抗して広がる尊皇攘夷思想を弾圧した。
しかし、桜田門外の変・坂下門外の変が起こり、幕府の権威は失墜した。
同年、将軍家茂と和宮の婚儀が行われるが、朝廷内でも急進派の勢力は強く、過激な公家や長州藩を好まれない孝明天皇は、急進派公家と長州の排除を命じた。

=8月18日=
近衞、二條ら公武合体派の公家と京都守護職松平容保、所司代稲葉長門守が参内し、中川宮から勅旨が奏上された。九門を会津藩、薩摩藩が固めたため、堺町御門警備の長州藩が御門に集結した時にはすでに門内に入ることは許されなかった。

=政変の結果=
急進派の三條實美をはじめとする七卿と長州藩は京都を追われることとなった。
しかし、翌元治元年(1864年)には、池田屋事件を経て長州藩は京都に出兵し『禁門の変』へと至るのである。
なお、当時の堺町御門は、丸太町通に直接面しておらず、東は鷹司家、西は九條家と接し北に奥まり建てられていました。文久3年8月18日は、1863年9月30日にあたり、まさに155年前の御苑を舞台にした大事件でした。

 

京都御苑の見どころ 2018年9月26日 10:15

青・大・小が揃ったら...

20180918I 71.JPG
 台風21号の襲来で、苑内至る所で倒木などの被害を受けました。閑院宮邸跡庭の池にも大きな折れ枝が落ち、以前と景観が変わってしまった所もあります。
 それが関係してか、普段頻繁には訪れない2種の白鷺が連日姿を現しました。ほぼ毎日観察されるアオサギに加え、合計3種のサギが揃いました。
20180918I 1.JPG20180918I 50.JPG
 白鷺とは全身が白いサギの総称で「シラサギ」という名のサギはいません。今回訪れたのは「コサギ」と「ダイサギ」です。小さい、大きいの違いはありますが(ちなみにチュウサギという種もあります)単独でいた場合どう見分ければよいでしょうか?

 まず、コサギはくちばし、脚共に黒いのですが、指が黄色いのが特徴です。また、餌を採る際は浅瀬で片脚を小刻みに震わせ、撹拌するような動きをして水中に潜む獲物を追い出します。
20180918I 80.JPG
 一方ダイサギはくちばしは黄色、脚と指は共に黒色です。採餌方法はどちらかというと「待ちの戦法」です。水面下を伺いながらゆっくりと歩き、獲物を見定めるとS字型に曲げた首を瞬時に伸ばして捕えます。コサギより脚が長いので、より深い水の中でも狩りが出来ます。
20180918I 15.JPG
 この日もかなりの成功率で、次々と水中のザリガニを捕食していました。
20180918I 34.JPG
 そうこうしていると、アオサギがいつのまにかダイサギに背後から詰め寄り、追いかけ始めました。
20180918I 39.JPG
20180918I 41.JPG
 飛び立ったダイサギを陸地に追いやってもなお、執拗に牽制します。対して、マイペースで餌を探しているコサギには、全く目もくれません。
 アオサギは日頃から居ついているので、ふいに訪れたダイサギに対し縄張り意識が強まったのでしょう。加えてコサギよりダイサギを目の敵にしたのは、身体の大きさがほぼ同じで、採餌場所、採餌方法(アオサギも待ちの戦法)が似ている為、よりライバル視した故かもしれません。3種のサギが集まったことで、それぞれの生態や特性を垣間見ることができました。

 過ごしやすい気候となりました。ゆっくり時間をかけて生きものを観察すれば、思わぬ関係性を発見できるかもしれません。

2019年1月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31